益子トラベルのベースキャンプ「
ヒジノワ」に集合して、
そこから編集部手製の地図を見ながら、
山の中にある稔さんの工房へ、それぞれ自分の車で向かいます。
道のりは、車でおよそ15分。
途中通り過ぎるのは、益子の美しい田園風景。
少し道を逸れたところに、「土祭」の舞台もあったのに、ご案内を忘れていました(ごめんなさい)。
素晴らしい天気に恵まれ、作り物のような白い雲が浮かんでいました。
編集部もはじめて訪れたときは迷いに迷ったワイルドな工房に、
全員無事到着し、工房見学スタートです。
鈴木稔さんに工房内をご案内いただきながら、
益子焼の特長や、益子の土・釉薬について説明いただきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「益子の土」
d :今回、栃木号で紹介した4人の益子作家の皆さんは、
すべて、益子の土、益子の釉薬(ゆうやく)、益子の窯を使って、
制作されている方にご登場いただきました。
益子の土や釉薬について、まず教えてください。
稔さん :益子の土は、とってきた固まりを割ってみると、
土以外のいろいろなものが混じっています。
陶芸用土をつくる工場では、大きな水槽で水にとかして、
石や砂利を沈めて、木の根を浮かし、
中間層のなめらかな粘土質だけを使います。
稔さん :僕の場合は、とってきた土そのものを、
この普通のザルをつかって、ヘラでこします。
ナガオカ:知らなかったなあ。どのくらい時間がかかるんですか?
稔さん :1樽(およそ20kg)あたり、だいたい丸一日かかっちゃいます。
でも、この作業を手作業で行うことで、
粘土のなかに混ざっているいろいろな成分、
たとえばミネラル、石や砂などが残るので、
工場でつくる土に比べて土としての味わいがあります。
性質上、薄い器をつくるのにはあまり向いていないと言われています。
「益子の釉薬」
稔さん :益子では、釉薬の原材料が豊富にとれます。
益子が窯業地として大きく発展した理由の一つです。
稔さん :たとえば「土灰」は雑木の灰を水に溶かして、
こしたものを乾燥させた粉末。
カリウムやカルシウム、ナトリウムが含まれていて、
この成分が、ガラス質をキレイに溶かしてくれます。
「藁灰」は、藁を燃やしたもの。僕は田んぼで焼いています。
薬の粘りを出したり、白濁させたりします。
これらを混ぜ合わせて釉薬をつくります。
そのときに、鉄分を入れると黒色に、
銅の粉末を入れると緑色に発色します。
稔さん :釉薬のなかでも、特に、茶色の「柿釉(かきゆう)」は、
益子の特産品と言われています。
この工房の近くの足沼という石切り場でとれるのがまず一つ。
そして、石を砕いた粉末を水に溶かして、
素焼きの器にそのままかけるだけで、釉薬になります。
一同 :おおー
へえー
稔さん :石が単身だけで釉薬になる、大変優れた性質で、
全国的にも珍しいものです。現在でも生産されています。
材料についてはそんなところです。
これらをつかって、どのように器を制作するか、
ちょっと一つ、器をつくってみます。
一同 :!!!
(つづく)