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ナガオカケンメイ展 もうひとつのデザイン

2017年12月9日(土)~12月24日(日)
@岐阜県 ギャルリももぐさ

新しいデザイナー像 もうひとつのデザイン

世の中の進化により例えば建築の世界は相変わらず重厚なものを建てる一方、大工さんの方角にある人間ができる範囲に広がったり、自然環境の方角へエネルギー効率などへと広がる動きが出てきました。これまでの価値観が変化して、新しいそのジャンルの進む道の模索が始まっているとしたならば、僕の住む「デザイン」の世界はどんな進化があるのか。18歳から35歳まで、とにかく環境問題のことも、社会性のことも考えず、ただひたすら憧れのデザイナーやメディアを意識し、奇抜なアイディアを意識して仕事をしてきましたが、その創作の現場を憧れのデザインオフィスの居心地の中から街中の店、売り場に移した時、あまりにもそのデザインの扱いや見え方の違いに驚くとともに、今まで何をやってきたのかと、焦ったのが2000年。デザインのやっていることがまだまだ、メディアや業界団体に守られたきれいごとではないかと疑問を持ち店を持って痛烈にこれからの新しいデザインの進路を考えなくてはと思いました。デザインは過保護な環境にいたのだと思います。そして、過保護に守られることで光るものだったように思います。
デザインの進化の手前には、「まずは、新しく作るってのをやめるって発想でデザインしてみようよ」がある。2000年に立ち上げた私たちD&DEPARTMENTのショップバッグはよその店の紙袋にただ名入りのガムテープを貼り再利用することでしばらく拒否されましたが、やがて「その紙袋だけを欲しい」と言われるまでになりました。
世の中にとって「新しい」ことは必要です。しかし、それは「真っ新な材料で作らなくてもできること」です。
この企画展では、7つの「新しく作らない」発想で作ったものを通じて、もうひとつのデザインの生まれかたを感じて頂けると嬉しいです。

ナガオカケンメイ


「社会デザイン」

ドイツの現代美術作家であるヨゼフ・ボイスの作品を目にした時、理解は出来なかったけれど新しいアートが始まったなと直観した。それまでの美術の文脈に縛られず、美術の開口部が開いて社会や生活と繋がったような印象だった。「あらゆる人間は自らの創造性によって社会の幸福に寄与しうる、すなわち、誰でも未来に向けて社会を彫刻しうるし、しなければならない」(artscapeから)という概念を提唱し、ボイスは社会彫刻と呼んでいた。見せる美術から、一緒に考えようという美術になったのだと思った。
 「デザインをしないデザイナーだけどね」とケンメイさんは言う。確かにトラベル誌を出し、店を出し、家具メーカーに復刻を申し出たりする多様な活動の全体像の表層だけを見ると、何をデザインしているのか分かりにくい。グラフィックでもなくプロダクトでもない、デザインの既成の価値に収まりきらない新しいデザイナー像という個の在り方を追っても見えてこず、ボイスが社会を彫刻したように、社会をデザインするという大きな問い掛けをしているのがケンメイさんだとみれば、なるほど21世紀に必要なデザインだと思えないだろうか。持続可能なアイデアを社会デザインの輪の中で出し合い、デザインをしないデザインが自分たちの生活に何かの問いとなり、それが創造力となって社会に寄与する一つの手立てを与えてくれる。
 常に新しいものを出さなくてはいけないという強迫観念のようなものが、資本主義には付きまとい、競争社会の中ではデザイナーとしての自己表現も必要となってくる。ケンメイさんはそのことを否定するのではなく、ちょっと待ってそれよりも大事なことを忘れてるんじゃないと問いかけてきたのだろう。既にあるものの新しい見え方を紹介し、眠っている価値を探し出したり、消費された価値をもう一度復活させて売るという責任を伴う活動は、何でもないことのように見えるが、新しいものを売ること以上に大変なことだ。「ちゃんと生まれたデザインは、ちゃんと売らないと、ちゃんとしたデザインにならない」「量産されていてもいいから、思いがあるものが欲しい・・」(繋ぐ力展より)ケンメイさんのこれらの言葉に宿る思いを、若い世代に確実に広げていきたい。与えられたテーマをデザインするだけでなく、それがその先どうなっていくのか、その時間まで含めた社会デザインを人に伝えるのはとても難しいが、とても豊かな気持ちにさせてくれることは間違いないだろう。
 今展では、ケンメイさんの今までの活動をd&departmentを通して俯瞰して貰おうと思うが、観るだけに留めず多様なケンメイ像も想像して頂きたい。そうすることで我々も社会デザインに寄与する一歩を踏み出すことになる。

百草 安藤雅信

関連イベント

2017年12月9日(土)、10日(日)18:00〜20:00

トークイベント ナガオカケンメイ 音楽百話1

場 所:ギャルリももぐさ2F オーディオルーム
参加費:3,500円(料理+ワンドリンク)
定員:各日30名

終了しました


2017年12月17日(日)14:00〜15:30

濱田琢司 x ナガオカケンメイ Talk Session 「その土地らしさ」について考える

場所:岐阜県現代陶芸美術館
参加費:無料
定員:200名

詳細はこちら


2017年12月9日(土)〜24日(日)

d&RE WEAR in ギャルリももぐさ 2017

展覧会会場にて、染め直しの受付を行います。選べるカラーは黒とフォレストグリーンの2色。

詳細はこちら

記念書籍出版決定!

これまでナガオカケンメイがD&DEPARTMENTで考えてきたことを、きゅっと1冊に。
先行予約受付中です!


もうひとつのデザイン
ナガオカケンメイの仕事
著 者:ナガオカケンメイ
発行元:D&DEPARTMENT PROJECT
体 裁: B6変形判(158mm×120mm) 並製本 オールカラー
発売日:2018年1月19日(金)
定 価:¥-(本体価格 ¥2,200

開催概要

ナガオカケンメイ展 もうひとつのデザイン
2017年12月9日(土)~年12月24日(日)

入場無料
会場:ギャルリももぐさ(岐阜県多治見市東栄町2-8-16)
時間:11:00〜18:00(会期中無休)
アクセス:多治見ICより車で10分/JR多治見駅より東鉄バス13分「高田口」下車1Km
>ギャルリももぐさのWEBサイトはこちら