2009年7月18日 01:37更新
デザイントラベル誌として復刊するのですが、おそらく、本屋の観光ガイドの棚の様子、すなわち、エディトリアル的なもデザインされた感じのもので勝負するのではなくて、iphoneや、カーナビはもちろん、最終的な勝負どころは、この160ページの雑誌の編集スタイルと、47都道府県に作っているD&DEPARTMENTとの実際の「デザイン観光案内所」としてのリンクによってくると思います。よくできたデザイン的な観光ムックが出ると、一瞬、ひるむのですが(笑)、そもそもそこで勝負はしていかないので、とはいっても、かなり手間のかかることをしていこうと思っています。雑誌の全体像は「モノクル」っぽくなります。というのは、観光をベースにしながら、その土地にあるロングライフなこと、人、もの全体を取り上げて、当初の「d」で伝えていた「継続していく考えの素敵さ」を、最終的に感じてもらえるように考えています。
今は十勝(北海道)にいます。一足はやい、夏休みで6日を使って東京から車で北海道に来ています。最終的にこの「d」も、こんな感じで提供してもらえる車に乗って、日本中を走り回りながら、僕が感じたことを書いていくことになると思います。それを立体的にD&DEPARTMENTで勉強会や講演会の形で、ゲストを呼んだり、商品を販売したりしていきます。
結局、デザインは使わなくては意味がありません。そして、社会に使えなくては、何の価値もない。では、今、何にデザインを使うのか。そのひとつの答えとして、このプロジェクトは進めています。日本の至る所に投下された、伝統工芸への補助。それを銀座の一カ所に集めた「デザイン物産展ニッポン」でしたが、この展覧会の作り込みにおいて、そのいろんな土地を巡っていても、やはり、気づくのでした。
日本は、もっとその土地に来て、そして、感じてもらいたいと。思っていると。日本に今、必要なのは、中央にデザインを集めてしまうことでも、伝統に似合わないデザインを着せて、無理に販売したり、作り手のマインドを嘘っぽく繋げようとすることではないと感じています。
かといって、地方に中央のデザイナーが呼ばれていって、なんだかわからない交流に時間やお金を使うのも違う。
「東京をうまく使って、地元の基盤をデザイン的に作っていく」。主張すべきは、デザインではなく、その土地らしさを「わかりやすく」すること。そこにデザインを使うということは、人が大きくからみ、手離れのとても悪い、手間なこと。それだと思うのです。
そんなに短期間にお金を投下しただけで、伝統的な時間のかかっていることなど、たやすく復興などしないし、体質も変わらない。
旅行をしていると、どうせなら、素敵な旅館やホテルに泊まってみたいと思います。一生懸命に探す訳ですが、そのほとんどは「だまされた」気持ちになります。何にだまされるのか。デザインにです。
雑誌掲載の数に限りのある室内写真。空間の写真の多くは、かなり誇張しています。おまけにパンフレットに書かれたコピーは、とてもその現実の旅館にない、これまた偽装です。
今日、泊まっているこのホテルも、都会の喧騒から離れて・・・・みたいな原稿ですが、おもいきり国道沿い。バルコニーにうるさくて出られません。これがデザイナーやコピーライターの仕事だとしたら、とても哀しくなるし、ここまで事実を曲げて、「仕事」したいかと思うのです。残念ながら、本当に日本中のこうしたものが、かなり事実を曲げています。
いいホテルや旅館にはBGMは要りません。いいホテルは、演出するようなグラフィックデザインは要らないのです。本来、やるべきことに自信がないから、曲やデザインで着飾る必要がでてくる。いい旅館やホテルのデザインは、本当にさりげないのです。
グラフィックで主張し、インテリア空間で主張されたホテルが多いのですが、もう、そんなところを「快適」と書かれても、最初は物珍しく泊まりにいくのですが、そんなのが日本中にあるわけです。
これから必要なのは、「その土地にあるべくらしさ」をさりげなく、強く、伝えるクロコとしてのデザイン。そういうことを意識して旅していく中で、見えて来るものを、毎号、とりあげていきたいと考えています。
余談ですが、今日の14時からTBSの「絶景北欧幸せ食堂」という1時間番組にグッチ裕三さんと出ています。北欧版、デザイントラベルをしてきました。見て下さい。