2009年6月16日 03:46更新
北欧デザインを巡る僕と、食材を買いながら同じく旅をするグッチ裕三さんが、現地で待ち合わせをして、最後はフィヨルドの絶景スポットで料理を作り、乾杯・・・・という、かなりはちゃめちゃな企画です。が、今、D&Dで準備している「DESIGN TRAVEL」という企画と偶然、通じるものがあったので、やってみようと引き受けた訳です。きっと、僕らの企画はかなりデザイン寄り過ぎて、例えばそれをテレビで土曜の昼に流すに耐えられるものにするには、と、想像すると、きっとこういう企画になるんだろうなぁと、そこも興味がありました。
デザイナーや業界の語る「DESIGN」は、とてもまじめで堅苦しく、しかも、場合によっては田舎のおばちゃんには理解の出来ないものになっている。それではいけないとも思っていない人もいる。ま、そういう様子がイヤになって、「DESIGN」を「デザイン」に、いや、「でざいん」に変えて見せているのが、D&DEPARTMENTなのですが、今回の番組はもっと解りやすいかもしれません。どうぞ、楽しみにしていて下さい。
さて、2度目の北欧でした。PPモブラーという木工家具アトリエを訪ね、街を駆け抜け、嫌いな飛行機にも4日間で8回ほど乗り、現地の幼稚園を訪ねたりしました。
そこで強烈に気づいたこと。
日本はセンスが本当にない。そして、単体のデザインには強いけれど、トータルなデザインには、本当に関心が薄い。
法令なんかも邪魔しているのでしょうが、とにかく「隣の人」とすらうまく混ざり合うことが出来ない人種なんだなぁと思いました。街が汚すぎるのです。しかも、衛生的にではなく、デザイン的にです。
複数のデザイナーがそれぞれに主張した結果とも言えます。ひとつの街をとっても、ひとつひとつの建築が主張して、街の景観というまとまりに関心を持たないから、バラバラに家が建つ。「それでもいい」という意識がプロとしてのデザイナーにあるのでしょう。しかし、これは言うのは簡単ですが、実際、やるのはとてつもなく難しいことでしょう。それを北欧の街はやっている。出来ているのです。
北欧の街には単純なルールが見受けられます。ひとつは「色」です。街に使ってもいい色は、あたかも「この10色ね」と、誰かが言ったようにきっちりその中で行われています。その代わり、部屋の中の小物はカラフルです。「街はみんなのものだから、センスよく行こうよ。その代わり、部屋は楽しく明るくしていいよ」と、誰かが言っているかのようです。見事に日本の真逆です。街ははちゃめちゃで、室内は意外とシック。言い換えると「街はどうだっていいから、自分の部屋は落ち着きたい」みたいにも見えます。どうしてこうなったのでしょうね。
もうひとつは、古いものとの共存。まったく新しい建物だけのエリアというのが、見当たりません。どんな街にいっても、古い歴史と佇まいのある建物と最新の建物が共存しています。古い建物は街づくりの「バトン」のようになっていて、街を続けるためには、歴史のバトンをうまく受け渡しできるつじつまが必要です。「その街らしさ」を残しながら、現代に生きる街とする。結果として勝手に主張することなく、それでいて最新の表現を探し、センスよく落ち着きます。
成田について、空港ひとつとってもかなりがっかりしました。大規模なデザインになると、とたんにこうした無味乾燥で無難なデザインになる。言い方を変えれば「どんな頭の固いデザインのわからない決定者にも、わかってもらえる限界としてのデザイン」がそこにはある。では、どうしてコペンハーゲンの空港に出来て、成田空港にできないのか。答えはシンプルで簡単です。デザインの指揮者がいないのです。多くのデザイン演奏者を手なずけながら、ひとつのメロディを、ひとつのストーリーをつくることができない。日本のデザインはひとつひとつはいいのですが、大掛かりになっていくと、そのひとつひとつをまとめられないのです。コペンハーゲンの真似すら出来ないのです。
と、反省会はこれくらいにして、日本をデザインしていきます。みなさん、ご協力を。