2009年3月 7日 21:01更新
益子ではスターネットの馬場さんと火鉢談義。「絵を書きなよ、作ってあげるから」と言ってもらった。そういう場所にいってふとこんな会話をすると、「あぁ、ものづくりの土地っていいなぁ」と思う。
砥部に松屋のみんなと行った時、陶芸デザイナーの工藤先生の自宅と工房におじゃました。自宅に感じのいい火鉢と鉄瓶があった。なにげなくねだったけれど、かわされた。で、こんな感じのものをとリクエストして帰った。


と、さんざん言いまわっているうちに季節は春へ。もう古道具屋の軒先からも季節のものが姿ほ消して倉庫の奥へ冬眠をしてしまう微妙な季節に、先日、D&D静岡のメンバーと仕入れに静岡を巡った。
D&D静岡を運営しているタイタコーポレーションは、飲食を中心に静岡を拠点として展開する会社。デザインに関してはみんな素人。そんなみんなとデザインリサイクル仕入れをするわけだから、いろんな発見や意外にデザインってこう思われてるんだぁなんて、自分が驚いたり、気づかされたりと勉強になる。とにかく「いいデザインを救出」する感じのこのツアー、楽しいのである。
D&Dは古物免許を持っているので、当然、専用の市場に出入りができる。しかし僕らは商売をベースにしていないから、市場で競りに参加したりはしない。あくまでその地域のデザインの底上げをしているので、地域にある仕組みとしての「リサイクル店」は、D&Dにとってはパートナー。一般客に混じってそういう場所の人と情報を交換し合い、「こういうものはゴミではないから、僕らは買うから捨てないでね」なんて、地道に教育をしていく。ま、教育という程のことではないかもしれないけれど、意識としてはその地域のリサイクル屋の意識を1ミリ、向上させることは、その地域の下取りや新品の販売にも多少影響する。地道な行為には違いない。
教育で思い出した、静岡のとある骨董屋さんのおばちゃん。静岡店スタッフの案内で偶然にも入ったこの店は、骨董がメインで雑貨が入り乱れている。感覚的かつ、若い生活を意識して形や機能美優先で仕入れをしていく。大きめな樽のようなものがあったので、値段を聞くと、「それ、なんだか知ってる?」とおばちゃんのレクチャーが始まった。僕が形だけで手に取ってものは、昔の家にあったおひつ。こんなに大きなものがあるんだと関心しながら、当然、ふたが必要で、「おばちゃん、ふたは?」と聞くと、「夏用?冬用?」と聞いてきた。ご飯を入れるおひつのふたを季節によって変えるのか?? と、見せてもらった。と、万事がこの調子。今の生活にも通用する知恵や生活スタイルの変化などなど、ここはちょっとした学校だ。
静岡に来たらまた、絶対に寄りたい店ができて、静岡が楽しくなっていく。そして、なによりも学校の「先生」のように、いろいろと親身になって教えてくれる人に出会えたことは、自分の人生にとって大きい。
剣持デザイン研究所の松本所長は、僕にとって「先生」だ。大御所デザイナーのことを「先生」と呼ぶ風潮のそんな類いではない。心から教わることが多い。
松屋に行くと、僕のことを「ナガオカ先生」と呼ぶ方がいる。半分照れながら、それを「役割」と割り切って返事をしている。でも、やはり「先生」と呼ぶ人は松本先生のような意味で呼びたい。それを思うと、自分がそう呼ばれるたびに「あぁ、まだまだなのになぁ」と恐縮してしまう。
自分の人生の中に「先生」がいる。自分の生活の中に「先生」と呼びたい人がいることはとても幸せだ。
生き方がすばらしく、面倒みもよくて、間違ったことをしたら遠慮なくビシッと指摘をしてくれる。迷ったときは手紙やメールを送りたくなるけれど、「あの人ならどうするのかなぁ、こんな時」と心の中に指針として現れてくれるだけでも、とても感謝したい。
日野明子さんも僕にとって先生だ。額に汗をかきながら、遠慮がちだけれど真のある助言をいつもしてくれる。いいことをすると昼夜を問わず、一通のメールを送ってくれる。複雑な心境の時はそのまま、複雑なメールをくれる。その複雑さを日野さんの心境と受け取って、ストレートに言うより「考えろ」ということだなと思う。本当にありがたい。
僕はまだまだ人に先生と呼ばれるところまでにはたどり着けない。けれど、いつか「先生」と呼ばれたい。偉くなりたいということではなくて、誰かの気持ちの中に「ナガオカならどうするかなぁ」なんて、その人の人生の整理に役に立てる先輩になれたらと思う。
先生になるには、いい先生に出会わなくてはと感じる。小学3年生の時に担任として出会った伊藤義和先生はどこにいるのかなぁ・・・・。僕は先生のおかげでここまでこれました。
さて、そんな日野さんと出会った三重県。窯業試験場の水野さんとの出会いから、日野さんに出会いました。一緒に萬古焼の仕事場を回ったときの思い出は、なにげなく使っている土鍋でこばんを食べるたびに思い出されます。

今日は墨貫入の超ド定番土鍋、D&Dでもそこらあたりの生活用品店でも扱いのある日本の定番。これでタケノコご飯を作って食べました。今日も日本にふれられて、幸せです。
明日、日曜日は松屋銀座7階の「NIPPON VISION」展会場に当番で立っています。叱咤激励、差し入れ歓迎。遊びにきて下さい。お気軽に。