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水害にあった布を再活用する

2018年5月5日 公開

現在開催中のD&DEPARTMENT GALLERYの企画展「FROM LIESTOCK展 −日本の生地の「個性」と「技術」−」。”FROM LIFESTOCK”とは、私たちD&DEPARTMENTが作った造語で、日本の生地産地に眠る見本用に作られた布を、DEAD STOCK(死んだ在庫)ではなく、LIFE STOCK(生きた在庫)として蘇らせよう、という取り組みです。

生地メーカーが抱える膨大な生地見本の在庫問題を解決するだけでなく、日本の生地の多様さ、魅力をお客様に感じて頂こうと、これまでに生地見本の布を活用して、トートバックやクッション、もんぺ、RUGなど様々な商品を提案してきました。

20180505_1FROM LIFESTOCKのアイテムの一部。

今回、富山での巡回展に合わせて、富山の生地メーカーさんの布を使った商品を作ろう!ということに。そのうちのひとつが、「松井機業」です。松井機業は、1877年から続く絹織物のメーカー。古くから絹織物の産地である城端で機織りを続けています。私たち、D&DEPARTMENT TOYAMAでも、普段からシルクのストールや、ご祝儀袋等をご紹介しています。

20180505_2松井機業のストール

今回、富山の生地メーカーをリサーチをする中で、松井機業が10年前水害にあったこと、そして、その時の生地が今でも残っていることを知りました。

松井機業を訪問し、当時のお話を伺ってきました。

水害が起こったのは、2008年の夏。その年の夏は、大雨が続き、水害が起こる1週間前にも、近くの山で土砂崩れなどの災害が発生していたそうです。水害の当日、早朝に工場付近を流れる川が叛乱。決壊した川の水や泥が一気に工場になだれ込んできたのだそうです。その時、工場にいたのは、社長の松井文一さんただ一人。あっという間に工場は水浸しになり、文一さん自身も一歩間違えば、川に流される寸前だったそうです。

20180505_3当時の写真。水に押し流され、戸が壊れている様子が分かります。

水は、午前中には引いたものの、織り機や工場の建物も壁が流される等、大きな被害を受けました。

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もちろん、そのとき工場にあった生地も全滅。すべて泥をかぶり、売り物にならなくなってしまったそうです。

大きな被害を受けたにもかかわらず、松井社長は水害から1ヶ月で工場を再開。「辞めようということは、少しも思い浮かばなかった」とさらっとおっしゃっいますが、当時の被害を目の当たりにして、すぐに立て直す行動力は、ものすごいパワーと信念です。

松井機業には、その時被害にあった布が、今も捨てることなく保管されています。

20180505_6生地を大切そうに取り出す文一さん

なぜ、捨てずに今も保管しているのか。
その理由を文一さんに伺うと、「絹は、綿やウールと違い、蚕の命と引き換えに作るもの。だから、泥に使ったとしても捨てることはできない」と話して下さいました。

この松井さんたちの絹への思いに触れ、なんとかこの生地を活かすことはできないか、そんな思いから、今回、試験的に水害にあった布をバックに仕立ててみよう、ということになりました。

20180505_7こちらが、水害にあった布を使ったバック。「FROM LIESTOCK展 −日本の生地の「個性」と「技術」−」にて展示中です。

今後、さらに染め等の加工にチャレンジし、水害の縞が良さに変わる方法を探していく予定です。今後の進化の過程もレポートにてお伝えしていく予定ですので、お楽しみに!

 

D&DEPARTMENT TOYAMA 進藤