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土人形の絵付けワークショップ レポート<後編>

2018年2月24日 公開

現在開催中のD&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY「うしとうそ -とやまの土人形-」。富山出身のグラフィックデザイナー・宮田裕美詠さんの視点で、古くから富山に伝たわる土人形の魅力を捉え直し、紹介する企画展です。

今回の展覧会では、富山に古くから伝わる土人形を継承する「土雛窯」の土人形を多く紹介しています。

富山の土人形のこと、土雛窯のことを知って頂こうと、土人形の絵付けを体験するワークショップを開催しました。

2回に分けて開催されたワークショップの、2回目の模様をレポートします。


富山に古くかある土人形の形と技法を伝える「土雛窯」。土雛窯のつくる土人形の特徴のひとつは、今主流になってきている「アクリル絵の具」による色付けではなく、昔ながらの「膠(にかわ)」と「泥絵の具」による絵付けです。

今回のワークショップのテーマは、この「膠」と「泥絵の具」を使った絵付けの魅力と、その裏側にある手間を感じて頂こうと企画しました。

普通絵付けのワークショップは、30分程度で終わるものですが、今回のワークショップは2回講座。1回の講座につき3時間の長丁場です。1回目は、絵付けの下準備となる「胡粉」による白塗りを行いましたが、これがとっても大変な作業。この大変な作業を乗り越えて、2回目の今回は、いよいよ楽しい彩色です!

1回目のワークショップの様子はこちらから
 
■色鮮やかな泥絵の具
彩色に使う絵の具はこちら。

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泥絵の具に膠を混ぜて、土人形に接着しやすいようにしています。赤・黄色・紫・緑と、鮮やかな色。すべて昔から受け継がれている色使いです。

早速、見本を参考にしながら、色を塗って行きます。

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伸びのよいアクリル絵の具と違い、泥絵の具を使った色付けは、何度もこまめに重ね塗りして行く必要があります。丁寧に丁寧に。皆さん、ひとつのラインを引くのにも、かなり集中しています。

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だんだん作業に慣れてくると、それぞれアレンジして色付けされる方も。
こちらは、鷽を色鮮やかに色付けされています。くちばしの黄色、可愛らしいですね。

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■目を入れる
目を入れる作業は、絵付けの中でも特に緊張する場面です。人形の表情が決まる大事な線になるので、まずは、練習します。

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なかなか、細い線を思いどおりに書くのは難しいもの。微妙な手の震えが線の迷いに繋がってしまいます。

が、さすが、今回の参加者のみなさんは、とっても上手。見本を参考にしつつも、思い思いに、自分の好きな表情にアレンジして目を描いています。「古代犬」という富山に古くからある土人形も、描き手によって様々な表情ができあがりました。

ぱっちり目の子や

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いたずらっぽい表情の子

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やさしい表情の子

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きりっとした子

20180224_10靴下はいているのがかわいいです

たれ目の子や

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脱力系の子も

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こちらの子は、気持ち良さそうな目元と口元がかわいいです。

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中には、こんな遊び心を加える方も!

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仕上がってみると、どことなく描き手の方に雰囲気が似ているのが不思議です。

 
3時間のワークショップもあっという間。みなさん時間をめいいっぱい使って、細部までこだわった作品が出来上がりました。前回のワークショップの苦労があったためか、「絵付け楽しい!」という嬉しい感想も。
 
最後、絵の具を乾かしている間に、参加者のみなさんから土雛窯の古川さん、藤田さんに質問タイム。参加者からは、他の産地との交流のことや後継者のこと、なかには「価格が安すぎるのでは?」といった声も。

作業を体感して頂くと本当によく分かるのですが、土人形を1体作るにも、たくさんの工程があり、1個300円程度で販売されていることが信じられません。

この質問に対して古川さんは、「自分たちが作っている物は、作家がつくる工芸品ではないと思っています。土人形は、庶民の生活の中で愛されてきたものだから、あくまでも手に届きやすい価格にしておきたい」と答えて下さいました。控えめでありながら、ものを作るだけでなく、作ったものが手に取って頂いた方にどんな存在であって欲しいのか、古川さん、藤田さんの強い思いが伝わってきました。

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2回に分けて開催した土人形の絵付けのワークショプ。ほんの一部ではありますが、絵付けの手間を知って頂いたことで、より土人形への愛着を深めてもらえたのではないか、と思います。

教えて下った土雛窯の古川さん、藤田さん、参加して下さった皆様、ありがとうございました!
 
 
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