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熊倉桂三さんに聞く展示の見どころ【前編】

2017年5月25日 公開

D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYでは、現在「プリンティングディレクションの魅力ー富山から発進する印刷技術ー」を開催中です。

先日、今企画のキュレーターである株式会社山田写真製版所の熊倉桂三さんにお越しいただき、展示の見所等をお伺いしました。

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今回の展示では熊倉さんがプリンティングディレクターを務めた
富山に関係する作品を展示しています。

熊倉さんは「プリンティングディレクターの仕事は、デザイナーと一緒にアイディアを出しながら、実際どのように作るか設計し、作りあげていくこと。言われたことをやるだけたったら営業で良いのです。」と言います。

例えばこちらの作品。

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こちらは永井一正さんデザインの「LIFE」
2013年に手がけられたものです。
当初は白地に銀を刷ってみたそうですが、全然銀色が見えなかったそうです。
熊倉さんは、この作品をどのように作りあげるか試行錯誤し、
銀の下地を黒のベタにしてみる、大胆な提案を永井一正さんにしたそう。
結果、当初より立体的に見えるようになったのだとか。
是非近くに寄って見てみてください。

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この作品では、ミラー銀というインクを使っています。
フィルムにこのインクを刷ると鏡になるもので、熊倉さんが開発から行ったものです。
なかなか定着しないという難点もあったそうですが、
インクに膠を混ぜたりとこちらも試行錯誤を繰り返し、完成させました。
ミラー銀を使うことで、黒の中のシルバーがより際立って見えるようになったそう。
デザイナーのアイディアを形にするために、インクの開発から行ってしまうとは、、

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また、こちらの作品は是非書籍と見比べてみてください。
「ポスターは一枚一枚、作品として作っています。なので、書籍にするとまったく違う質感になります。」と熊倉さんはおっしゃいます。
実際両者を見比べて見ると、立体感や、風合いまで全く違います。

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こちらの作品で使われている紙は、
ドイツで永井一正さんの作品にあうものを熊倉さんがわざわざ見つけてきたそうです。
(こちらのシリーズは3点展示していますので、是非ご覧ください)

熊倉さんのお話をお伺いしていると、
いいもの作りには、いい関係性があるということに改めて気づかされます。
デザイナーの作家性や作品を常に心の片隅に留め、行く先で紙を見つけては、
この紙を使いたいと持ち帰ってしまう程の、思いや関係。

例えば、私が以前携わっていた建築の仕事では、設計を担当する建築家だけではなく、構造や設備など様々な分野のプロフェッショナルとの議論や提案があり、建築家のアイディアに、色々な味付けが加わり、建築ができあがっていきました。
全く同じことが、グラフィックの世界でも言えるということ。
デザイナーのアイディアを形としていくために、プリンティングディレクターからの提案や思いがあり、色々な味付けが加わり、ポスターとなり、書籍となっていく。

熊倉さんのお話をお伺いし、じっと作品を見ていると、
デザイナーとプリンティングディレクターの両者がこれだ!!と思って、
完成に向かって作品が立ち上がっていく一体感や疾走感が伝わってくるような気がします。
お会いしたことのない作家さんに思いを巡らせ、興奮しながら作品を見つめてしまいました。

他にも見所があるものばかりですが、続きは後編で!
また6月10日にはギャラリートーク、d TALK 12で、プリンティングディレクションの魅力をたっぷりお話いただきます。詳細は以下です。

熊倉桂三 × ナガオカケンメイ
d TALK 12 「プリンティングディレクションの魅力」
日 時:2017年6月10日(土) 19:30〜21:30(開場 19:15)※1ドリンク、軽食付
参加費:2,000円
定 員:50名
お申し込み:お電話(076-471-7791)、店頭、web

みなさまのご来場、お待ちしております!!

D&DEPARTMENT TOYAMA 上野