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北九州芸術劇場

  1. 「大ホール」「中劇場」「小劇場」から成り、 舞台表現は自由自在、無類の劇場。 演劇や歌舞伎、落語など、様々な表現に対応した3つの劇場、さらに、街中へ、駅にもカフェにも飛び出して、北九州市すべてを舞台にする。
  2. 北九州の文化に根ざす独自企画の演劇シリーズ。 『彼の地』など、第一線で活躍する演出家が北九州市に滞在し、地元の役者やスタッフと作る「北九州芸術劇場プロデュース」シリーズは、地元と東京で開催している。
  3. 市民に芸術の素晴らしさを伝えるプログラム。 小中学校などにアーティストを派遣するアウトリーチ活動や、市民参加企画の合唱物語『わたしの青い鳥』などを主催。

劇場から飛び出す劇場 演劇『彼の地』(作・演出 桑原裕子)を東京で観た。北九州市が舞台の、一九名の男女の物語だ。実在する建物や場所が劇に出てきて、デパート「井筒屋」が地元で愛されていること、屋台のメニューにはおはぎがあることなど、 僕は、まだ知らない北九州市に魅了された―「北九州芸術劇場」は、小倉城の隣に、2003年にオープンした大型複合施設「リバーウォーク北九州」内にある。中劇場のエントランスは、青白い照明が薄暗く光り、宇宙空間のよう。小劇場は舞台と座席を自由にレイアウトできる面白さ。戦前「八幡製鐵所(現・新日鐵住金)」などの鉄鋼業の工場が発展し栄え、そして衰退した北九州市。資料や統計からわかる歴史に加え、ここに暮らしてきた人々の、普段は語られない大切な記憶を、演劇やパフォーマンス等にして後世に残していくことが、この劇場の役目だ、と津村卓館長は言う。市民との共同創作劇『Re: 北九州の記憶』は、地元若手作家達が、地域の高齢者達へのインタビューを基に作る、芸術劇場オリジナル企画の一つ。モノレー ルを借り切ったり、角打ちをジャックしたり、彼らにとっての劇場は、この北九州市の街、そのものなのだ。ある日、「旦過市場」で、学生が鯖のぬかみそ炊きがのった飯椀を片手にバタバタ走り回り、年配の男は、酒屋の隅で二合の酒を三分で呑み終えサッと立ち去るのを僕は見た―「北九州芸術劇場」の屋外劇だったのかも知れない。(神藤秀人)