D&Department

D&DEPARTMENT ネットショップへ

ikedaya

池田屋安兵衛商店

  1. 1936(昭和11)年創業。“薬の富山”を現在に受け継ぐ薬店。 売薬の主流はドラッグストア、ネット業者へ移っても、調剤室を見せながら、一人一人の相談にのる、昔ながらの対面販売。
  2. 伝統的な建築を生かした、モダンな空間デザイン。 なまこ壁の外観はそのままに、店内は1992年に改装して開放的な空間に。富山売薬の原点「反魂丹」も新パッケージで復活・販売。
  3. 2階は薬膳料理のカフェ。休憩もできる観光拠点。 古い機械を展示して、伝統的な製薬の実演も。観光バスを受け入れ、レンタサイクルもある「街の駅」。

普通にある、有り難さ 伝統的な富山の売薬(置き薬、家庭用医薬品のこと)は、「製薬」「問屋」と、全国に売り歩く「配置」の三本柱で成り立っていて、小売りはしないのが普通だが、「池田屋安兵衛商店」は対面販売がモットーだ。もともと製薬会社が密集する地域にあり、すぐ裏は「ケロリン」の「内外薬品」、近くを流れるいたち川は、薬の製粉所の水車を回していたという。太平洋戦争で焼き尽くされた富山市中心部に、いち早く再建した、なまこ壁の外観に立派な木彫りの看板、墨書きの店頭幕が映え、老舗の雰囲気たっぷり。店内は開放的な吹き抜けで、天井にはファンが回り、照明を工夫した落ち着いた雰囲気。二階にカフェもあって、緑色のアイスは抹茶ではなくヨモギ、黄色はウコン。さすが薬店、洒落もよく効いている。和漢薬は、明治維新以降ニセ物扱いを受け、一度なくなってしまったが、富山生まれの和漢の妙薬「反魂丹」を、いち早く復活させたのが池田屋だった。現在、和漢薬は、アトピーや喘息、アレルギーなど、西洋医学で手を尽くしても治癒できない症状や傷を持つ人が、最後にすがるような存在。一人一人に合わせた医療が、「それが昔から当たり前」、そんな店が街のど真ん中にある―〝薬の富山〟だ。もちろん、便秘、二日酔い、肩こり、頭痛にズバリと効く一般薬もある。最初は物珍しさで店に入っても、「あいつ、元気かなあ」とか、誰かを想う時間になる。優しい気持ちになる効能もある。(空閑理)