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福岡市美術館の備品を次の世代へ。

2017年6月26日 公開

今年の3月、福岡市美術館の備品の入札へ参加し、最終的にD&DEPARTMENTが引き受けることになりました。この話の背景は現在着工中のリニューアル改修工事に伴い、大半の備品が再利用される中で、諸室の用途変更などによりどうしても使用できない一部の備品の引き取り手を探しているということでした。

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福岡市美術館は1979年開館。戦後の日本の近代建築をリードしてきた前川國男設計の美術館。重厚な赤茶色のタイルによる外壁が印象的です。

17797594_1389412127819907_74369317_o17797607_1389412111153242_920449686_o内装も余計な装飾を一切省いた、どこまでも無骨で頑丈な作り。40年近くたった今でも古臭さはまったく感じません。

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そんな福岡市美術館ですが、建物の中の什器や家具はほとんどが天童木工によるオーダーメードで作られていました。

17820383_1389412601153193_1626165768_oこれは読書室で使用されていた受付台。天童木工お得意の成形合板の技術が余すところなく活かされています。

17820511_1389412701153183_844664610_oこの椅子は2階のカフェで使用されていたものです。座面の高さが一般的なダイニングチェアと比べると3〜4cmほど低く設定されており、座ると不思議な安心感があります。この椅子で驚いたのが状態の良さ。40年近く使用されていたものとは思えないくらい座面も木部も綺麗な状態を保っており、がたつきもほとんどありませんでした。本当に大事に使用されていたことが想像できて、感動しました。

img_5960これは受付台の横に設置されていた棚。おそらくパンフレットなどが置かれていたのだろうと思います。

17814090_1389412591153194_478064036_nくず入れ。四角のタイプのものもありました。これももちろん天童木工製。

17820173_1389412514486535_505009720_oこれは会議室にあった机。バックヤードのものも手を抜くことなくいずれも重厚な作りでした。

17522120_1389412644486522_1229350346_oこの机の足元にはアジャスターが付いていたのですが、真鍮で作られていたことにまたも驚かされました。見えないところにもこだわる、当時のものづくりに対する気合を見ました。

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美術館を回っていて、途中で薄い黄色が至るところに使用されているのに気づきました。什器の天板や椅子の張地、扉など、この美術館のポイントカラーだったのかもしれません。

img_5987今回、全ての備品をD&DEPARTMENTで買い取ったわけではなく、リペアを施し再利用する備品もありました。1階、2階のロビーにあったこの椅子も張り替えてリニューアル後も使用するとのことでした。「愛着のあるものを少しでも残したい」、そんな思いが福岡市の方から感じられて、今自分が従事している仕事とかぶるところがあって感慨深くなりました。

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入札が終わり、備品を買い取ることが決まったあとは、スタッフ総動員で荷捌きを行いました。 今回、全ての備品を福岡店で取り扱うのは厳しかったので、D&DEPARTMENT各店へ振り分けを行うことにしました。

%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-1荷捌きを行なったスタッフ。東京店、鹿児島店、沖縄店からもヘルプに来てくれました。

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引き取ってきた備品はリペアを施し、店頭にて販売しました。福岡店では特に福岡市美術館に思い入れのあるお客様が嬉しそうに購入してくださるのが印象的でした。

r0035504福岡市美術館の備品を購入してくれた方の一人、福岡ではおなじみマヌコーヒー社長・西岡総司さん。西岡さんは新店舗をオープンするたびにD&DEPARTMENTでいつもUSEDの備品を揃えてくれる常連さんでもあります。今回の美術館の備品も「良いものは残したい」という思いで今度オープンする新店舗用に購入してくれました。

r0035470r0035491今回はくず入れと看板を購入していただきました。(※まだオープン前のため設置箇所は仮です)

「今回の福岡市美術館の備品をカッコよく店に置くことによって、古くなったものは良いものであろうと廃棄する風潮に対して、少しでも問題提議になれば良いなと思う」と西岡さん。
マヌコーヒーに来たお客さんがカッコよく配置されている市美の備品に興味を持って、どういった経緯で備品がマヌコーヒーにやってきたのかという会話が生まれれば、何かしら思うことが出てくる人がいるかもしれない。「物を長く使い続けることやリサイクルについて少しでも考えるきっかけとなれば良いな」と、西岡さんはおっしゃってくださいました。
歴史を刻んだ備品が美術館での役目を終えて福岡に根ざしたコーヒー屋さんでまた大事に大事に使われること、D&DEPARTMENTが創業以来ずっと掲げている「良いものを廃棄しないで使い続ける」という思いを同じように持っているコーヒー屋さんが福岡にあること、中古を扱ってる身としては、良いものをバトンタッチする役目を担えたこと、思いを共感してもらえたことが嬉しくてたまらなかったです。

1496545520532マヌコーヒーさん以外にも多くのお客様に備品を購入いただきました。美術館で大事に使われていた備品がこんな風にいろんな家や店で素敵に使用されていると思うとやはり嬉しいです。(Oさん、写真の提供ありがとうございました!)

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D&DEPARTMENTでは今後もこのような買取を引き続きお受けいたします。今回のような行政の案件はもちろん、法人様や個人様からも受け付けております。店頭でも電話でもメールでも、ぜひお気軽にご相談してみてください。

D&DEPARTMENT FUKUOKA USEDバイヤー/リペア 松井 俊太郎