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白山陶器のある町、波佐見町へ

2017年2月10日 公開

現在福岡店で開催中の「森正洋の平形めし茶碗展」。平形めし茶碗の製造元である長崎の白山陶器にスタッフみんなで見学に行ってきました。

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白山陶器がある波佐見町は約400年の歴史のある焼物の町。江戸時代の後期には日本一の磁器生産量を誇るまでになり、白山陶器だけでなく産地全体で質の高い器を作り続けています。今では日用食器の全国シェアー12%。日本人の10人に約1人は波佐見町の器を使っていることになります。

そんな中、白山陶器は1779年より創業し、現在も多くの器を生産。森正洋は1956年から白山陶器に入社し、第一回グッドデザイン賞を受賞した「G型醤油さし」をはじめとして、多くの白山陶器の食器をデザインしました。デザインした器はどれもシンプルで使いやすく機能的で人々の生活になじみやすい物でした。「なにより使いやすく、生活の中になじむものである」白山陶器が器作りの原点として挙げているテーマに森正洋のデザインの原点が生きています。

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白山陶器のある長崎の波佐見町を散策すると、磁器で出来たモニュメントがたくさん目に止まります。上の写真はどれも森正洋さんがデザインされたそうで、陶器の歴史を地層に見立ててあったり、とても迫力がありました。

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町を散策した後は白山陶器のショールームを見学させていただきました。平形めし茶碗はもちろん、現在生産されている様々な白山陶器の器を見ることができました。ショールームは誰でも自由に入ることができますので、気になる方は是非行ってみてください。

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SONY DSCショールームを見学した後は、森正洋がデザインした「やきもの公園」へ。園内には世界各地、新旧12の窯が再現されています。山の斜面を掘って造られた日本最古の「穴窯」や、レンガ造りのイギリス式窯「ボトルオーブン」など、とにかくマニアック。窯によっては実際に入ることもできました。

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ちなみに福岡店のギャラリースペースにて書籍「森正洋の言葉。デザインの言葉」から抜粋したことばの数々と、デザインスケッチなどを平形めし茶碗と一緒に展示していますが、その中のひとつにやきもの公園が作られる前の森正洋のスケッチ案も見ることができます。実際の公園とかなり近いデザインスケッチで森正洋が思い描いていたものがしっかりと実現されているのだなと感動します。

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この「やきもの公園」、そもそも何のために作られたのか、今回案内をしてくれたデザインモリコネクションの小田さんにお伺いしたところ、「やきもの公園」が作られた当時、波佐見町に昔から住んでいる人たちの多くは自分たちがしている器作りに誇りを持てなかったそうで、そういった人たちに自分達の仕事の価値を気づかせるためにこの施設は作られたのだと教えていただきました。

セラミックのデザインだけでなく、産地の未来も見据えてデザインされていた森正洋。デザイナーというのはものを考えるだけでなく産地に入り込んで産地全体の未来を見据えてデザインしなければならないというその重要性を私たち後世に伝えるためにこの公園を残したてくれたのだと強く感じることができました。

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森正洋が「G型しょうゆさし」をデザインした当時は、今までの有田焼のデザイン、つまり華やかなで緻密な絵付けがされているものと、森正洋のシンプルなデザインのものはかけ離れすぎていて否定的な意見もあったようです。
しかし、森正洋は、誰になんといわれようとも頑なに日本の将来を見据えていまの世の中に何が必要なのかを考えデザインし続けました。その結果、グッドデザイン賞を取るような多くの名作が誕生しました。もちろんこれは森正洋個人だけでなく、産地や企業の協力があってこそ為し得た結果です。今回福岡店で展示している平形めし茶碗もすべて森正洋だけがデザインしたものではなく、当時のデザイン室の社員にもデザインを積極的に考えさせて採用された柄もあるようです。

森正洋は2005年に生涯の幕を閉じましたが、器で世の中の人々を豊かにしたいという思いは、今も白山陶器に、波佐見町に、引き継がれています。

「森正洋の平形めし茶碗」展は2月14日までです。期間中はギャラリースペースにて書籍「森正洋の言葉。デザインの言葉」から抜粋したことばの数々と、デザインスケッチなどを展示しています。

この機会に是非お店までお越しください!

D&DEPARTMENT FUKUOKA  松井 俊太郎