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手ぬぐいはどうやって作られるのか① – 型彫り -

2013年7月19日 公開

東京日本橋の織物問屋、戸田屋商店。
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ネットショップでは、その手ぬぐいブランド「梨園染(りえんぞめ)」を特集しています。今回は、手ぬぐいがどのようにして作られるのかを二部構成で紹介します。

手ぬぐいの製造工程は細かく分業されています。

1:生地を織る
2:柄を考える
3:渋紙(しぶがみ)を作る
4:渋紙に柄を写して彫る →型紙になる
5:型紙に紗(しゃ)を張る →版になる
6:生地に版を乗せて糊を付ける
7:染める
8:洗う
9:干す
10:裁断する

それぞれ専門の業者や職人が受け持っています。今回は、4番目の「型紙を彫る」工程を見学させていただきました。
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79歳の現役型彫り師、河合さん
高校卒業後は会社に就職をしようと思っていたが、周りの勧めで家業を継いだと言う河合さん。型彫りの仕事は60年以上というベテランです。

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渋紙(しぶがみ)
まず、渋紙(しぶがみ)と呼ばれる紙に柄を描き写します。渋紙とは、3枚の和紙を重ねて柿渋で張り合わせたもの。耐水性と強度があり、水に濡れても伸縮しにくいのが特徴です。専門業者から仕入れます。

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道具
道具は小さな彫刻刀。自分で作るのだそうです。写真は丸を彫る刀。丸の大きさごとに刀の種類があります。

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こちらは正円を彫るためにコンパスの先に刃を付けたもの。

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柄を転写する
鉛筆で渋紙に柄を描きます。丸い形のものは、手彫りで正確に左右対称にするには難しい。そのため半分だけ転写し中心から折って一度に彫ります。

同じ柄が繰り返すものは、最初にマスターとなる型を彫ります。それを墨で転写し、ひとつひとつ彫るのです。

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紙の上では効率的な方法ですが、コンピュータの描画ツールに慣れている私には、手作業のコピー&ペーストに気が遠くなりました…。

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彫る
刃を研いで彫りに入ります。

「どのくらい細いものまで彫れますか?」の問いに、0.5mm程の幅でも彫れるが、2mm以下の細さは染められないとの返答。後ほど解説しますが、型紙を版にして、染めない部分は生地に糊を乗せます。最低でも2mmの幅がないと、その糊が付かないということなのです。

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最近は生産効率を上げるため機械で彫るところも多いそうですが、切れ端を鋭角にする、染料が入りやすいよう斜めに刃を入れる、柄を見て彫りに強弱をつけるセンスは、機械に真似できないと戸田屋商店の社長、小林さんはおっしゃいます。

気になる価格は…
彫りの作業料は、仕事量から彫り師が決めるのだそう。けれど、どの柄にどれほどの時間がかかるかはやってみないとわからない。つまり彫り終わるまで料金はわからないのです!これは驚き。柄が複雑で工数が多いほど料金は上がると言う仕組み。

自分が彫った型で染められた手ぬぐいは、必ず確認すると言う河合さん。この仕事は感覚が大事、毎日が勉強とおっしゃいます。40代の頃は上野の博物館に通い、いろいろな物を見聞きして感性を養ったそうです。

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昔に比べ仕事の件数は減ったものの、最近は凝った物が多いので1枚にかかる時間は増えたと言います。全面に柄を入れたり、複雑で手間のかかる柄が多いのだそうです。判じ絵のような粋なデザインは見られなくなったと、少し寂しそうにおっしゃっていました。

彫り上がった型紙は、紗(しゃ)という編み目状に編んだ絹糸を張って仕上げます。それも型彫り師とは別の職人がおこなうのです。何とも細かく分業されています。

その後の工程はこちらの記事で紹介します!

商品管理部 所千草