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羽田忠織物のネクタイ②ジャガード織りと紗織り

2016年4月4日 公開

3月17日より福岡店で開催されているNIPPON VISION MARKET「羽田忠織物-織りの継承-」。色鮮やかなネクタイ・蝶ネクタイ・ポケットチーフが並んでいます。

前回のブログでは、羽田忠織物は伝統技術を伝えていきたいという想いで時代に逆行しようとも、手間のかかる方法でネクタイを作っているということを書きました。今回は羽田忠織物のネクタイの特徴である2種の織り方、ジャガード織り、紗織りについてご紹介します。

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※左がジャガード織りのネクタイ、右が紗織りのネクタイです。

ジャガード織りと紗織りは大変手間のかかる織り方です。前回のブログでも書きましたが、技術を継承した熟練の職人にしかできない織り方であり、手間も時間もかかります。

時代に逆行しているようにも思えるこの織り方になぜこだわるのか?どこにこの織り方の魅力があるのか?私はどうしても疑問に思ったので、羽田忠織物の社長、羽田正二さんにお話を伺いました。

「ジャガード織りや紗織りとそれを模したものの違いは、しっかりと見ればわかるのだが、ほんのちょっとの差でしかない。ただ、そのほんのちょっとの差を突き詰めて私たちは本物を作り続けたい。」

羽田さんはこのように話してくれました。

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世の中にはたくさんのネクタイがあり、パッと見ただけでは羽田忠織物のネクタイと見分けのつかないものも確かにあると思います。時代の流れとしては、似たものを安く大量に作ったほうが、ニーズがあるかもしれません。ただ羽田忠織物はいくら手間がかかろうとも、とにかく本物にこだわる。そこには日本の素晴らしい技術を途絶えさせてはいけない、ジャガード織り・紗織りにしか出せない絶妙な質感を伝えたい、という想いがあると思います。

そんな絶妙な質感のジャガード織りと紗織りがどのように作られているか見てみましょう。

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ジャガード織りとは、たて糸の上げ下ろしを制御することで柄を織ることができる「ジャガード織機」を使った織物です。通常の織機ならば1本のヨコ糸に対してたて糸を機械的に「上、下、上、下、上、下、、、」と動かすところをジャガード織機は「上、下、上、上、上、下、上、下、下、、、」というように自在にたて糸を動かすことができます。そのためペイズリーや花柄、ドットなどの複雑な柄を織ることができるのです。

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後染めやプリントという技術でも柄を表現することは可能ですが、ジャガード織りは織り方で表現しているので光の当たり方や見る角度によっていろいろな表情を見せます。この「いろいろな表情を見せる」というのが後染め・プリントにはないジャガード織りの魅力です。こちらは是非店頭でネクタイを手にとって光にかざして確かめてみてください。

ジャガード織りは機械を使うので、人の手があまり加わらなく簡単なように思えますが、機械を動かす「微妙な調整」に多くの熟練した技術が使われています。

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ミシンを想像してもらうとわかりやすいです。慣れていない人がミシンを使うと布がよれてしまって綺麗に縫えませんが、慣れている人がミシンをうまく調整して使うと綺麗に縫えると思います。ジャガード織機もこの感じに似ています。

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ジャガード織機の場合は1つの機械に動かすのに機械に糸を張る「つりこみ職人」、細かいオサ(横糸を織り込む櫛のようなもの)に糸を通す「オサ抜き職人」、縦糸を上げたり下げたりする指示を出す「紋紙」を作る「紋紙職人」という人達がいます。それぞれが微妙な調整をして、初めて綺麗に織ることができるのです。

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次は紗織りです。紗織りとは、一般的な平織りではたて糸1本に対してよこ糸1本であるところを、よこ糸2本に対してたて糸1本を絡ませながら織る技術です。紗織りにすることによって紗織りにしか出せない透け感とハリが出てきます。羽田忠織物は先述のジャガード織機で紗織りのネクタイを作っていますが、この技術こそ羽田忠織物にしかできない織り方で熟練した職人による機械や糸の微妙な調整が必要です。

「紗織りを織れる職人さんが減ってきている。それは紗織りを模した物が増え、本物の紗織りの需要が減ってきており、職人達が紗織りをやめてしまってきているから。ただ、このままでは紗織りが日本からなくなってしまう。だから羽田忠織物では本物の紗織りをやり続けたい」

紗織りについて、羽田さんは声を大きくしてこのように熱く語ってくれました。需要が減ってきていても日本の伝統技術を守りたいという強い想い、ほんのちょっとの差を突き詰めることに全力注いでいること、羽田さんの言葉に羽田忠織物の作り手としての熱いプライドを感じて、私はとても感動しました。

まだ店頭に来ていない方は是非この機会に来店して羽田忠織物のネクタイを見てみてくだい。本物のもの作りにこだわる羽田忠織物さんの想いが感じられると思います。

D&DEPARTMEN FUKUOKA 松井 俊太郎