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クランクとマルチェロ

  1. 扉を開くと、物陰を覗くと、そこに何かがある。店そのものがアートのつくり。 子供の夢のような影絵やアニメーションなど、数々の仕掛け。
  2. この10年で、福岡は格段に面白くなった」と言う藤井健一郎・輝彦兄弟の店。 伝統や歴史などにとらわれない、福岡のデザイン史に名を刻んだ、完全自由な、アンティーク家具や雑貨の独立系リーダー。
  3. 市街地中心から離れた場所に、自分達の新しい文化を築いた。 栃木県黒磯市のカフェ「Shozo」のように、自分が心底いいと思える所を、自分が住む街に、自分のためだけにではなく、創り上げていく店。

福岡市に住むことの憧れや刺激を創出した店 大きなドアから入る一階が、アンティーク家具店「クランク」。外壁の真っ白な印象から一転、窓は黒く塗りつぶされ、暗い店内。滑車から吊り下がる小さな照明の光が届く、置かれた家具類は、すべて古びた無垢材に見えるが、実は塗られたペンキをキレイに剝がして、素の状態に戻した物。一度外に出て、薄暗い階段を上がって重い扉を開くと、何と屋上に出る。頭上に青空、足下に芝生。「道に迷ったのか?」とそのまま進むと、自動ドアがあり、それが開いて、ホッとした気持ちになり、中に入る。狭い階段を下りると、洋服や雑貨などの店「マルチェロ」だ。浅い水槽の天窓を通過した光が、コンクリートの床に揺らいで、清らかな川底にいるような感じ。僕が、E・クストリッツァ監督の映画『アンダーグラウンド』みたいだと伝えると、「大好きな映画」と藤井健一郎さん。彼は、子供の頃から、暇があったら、ずっと空想の世界に浸り続けるほどの空想好きで、現在、その空想を具象化するのが、弟の輝彦さんと、もう一人のスタッフ。仲のいい三人で、毎日、映画のジオラマをつくっている感じだ。「店」とは、感動で涙が流れたり、鳥肌が立ったり、映画並みのことができる場所だ、と藤井さんは考えている。切なげで、夢想的だが、店を出る時は、きっと明るくて、ハッピーな気持ちになれる。そういう感動を誰かに伝える時、その人の心は、最も清らかな状態だろう。(空閑理)