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ボーダーライン レコーズ

  1. 古今東西の中古レコードを、適正価格で買える。 新しい映画や小説の「LPレコードをかける」シーンに憧れて、デジタル世代の若者達が、大勢訪れる。
  2. ヒプノシスやノーマン・シーフらが30×30 センチにデザインした、焦げるほど熱い、深い文化を伝え継ぐ店。 横尾忠則氏がデザインしたマイルス・デイビス「アガルタ」等、実物を見て、触れて、響かせて、買える。
  3. 若者文化の中心地だった大名を、今も活気づける店主・甫足正彦氏。 印象的なロゴマークは、福岡の画家・土器修三氏のデザイン。ウォーホルにもデザインを依頼したが、急死で、実現寸前で幻で終わった。

福岡の〝サウンド・アンド・ヴィジョン大名〟 雑踏の中でも目立つ、鮮やかな黄色地に黒で書かれた「BORDER LINE」の看板。店内は、天井一杯に貼り巡らされたピクチャーレーベルのレコード、壁に掛けられたラウシェンバーグの版画。僕は、ここで、バナナのジャケットを見て、そのミュージシャンが誰かなど知らずに「これがウォーホルか!」と、ポップアートの洗礼を受けた中学生だった。久々に訪れて、「シーナ・アンド・ザ・ロケッツ」の『真空パック(一九七九年)』を探した。細野晴臣プロデュース、バックにYMOが参加した名盤だが、現在廃盤。CD棚の「さ」行に見つからず、あきらめて帰るところ、「レコードじゃダメと?」と店主の甫足さん。すぐに三〇センチ四方の鮮やかなブルーが棚から引き出された。鮎川誠らメンバーがラップでグルグル巻きにされた写真を撮ったのは鋤田正義(直方市出身)で、「マーク・ボランとかデヴィッド・ボウイを何枚も撮っとうとよ」と教えてくれ、YMOやサディスティック・ミカ・バンドなど、他の鋤田作品も見せてくれた。しかも一枚一二〇〇円くらいから買える。バナナのジャケットの『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』をターンテーブルに載せながら、「ファクトリーの空気まで詰まっとうような気がせん?」とニコニコと話す甫足さん。針を下ろすと、このアルバムを初めて世界中の人々が聞いた時と同じ音が鳴り響いた。僕は、今日、ここで、二度目の洗礼を受けた。(空閑理)