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シンスケ

  1. 仲條正義がオリジナルデザインを手がけた、直線的な美点空間。 大工の棟梁を父に持つ仲條氏と、江戸から続く家業の店主がつくった、「東京の酒場の美学」をはっきりと伝える店。
  2. 相撲や落語や銭湯に並ぶ、酒を文化として楽しむ居酒屋。 酒屋として七代、関東大震災後に居酒屋として四代続く老舗が伝える、「肩幅で飲む」酒の楽しみ方。
  3. 酒との相性抜群、売り切れ御免のシンスケ流料理。 日本酒は、調理酒まですべて、「昔からの付き合い」の「両関」のみ。辛口、甘口—常温、ぬる燗、熱燗、冷酒—好みに合わせて楽しむ極上つまみ

東京人が考えた東京らしい酒場 湯島天神から程近い「シンスケ」には、遅い時間だと品切れが多いと聞いて、開店の夕方5時に行った。坪庭がきれいな入り口、縄暖簾をくぐって戸を開けると、店内が一目で見えた。奥まで伸びた厚い一枚板のカウンター、短冊に墨書の品書き、おしぼりと箸を置く角度―水平・垂直をはっきりと意識した、潔いまでの直線的空間。「資生堂」などのグラフィックを手がけた仲條正義氏が「東京の人間が考える、すっきりとした酒場」とは何か、それを突き詰め設計した前店舗をほぼ踏襲して、1992年に建て替えた。四代目矢部直治さんは、「居酒屋」は相撲や落語や銭湯と同じで、一つの場所の“空気”を皆で分け合う江戸文化だと言う。3人以上でわいわい楽しみたい時には2階のテーブル席もあるが、1階のカウンターか2人席で、「肩幅で飲む」シンスケの醍醐味を味わってほしい。直治さんは家業の板前料理を身につけながら、フランス料理も学んだ熱血料理人。旬の刺身・豆・野菜、または、つまみの定番に一捻りを加え新鮮な食材本来の旨味をいっそう引き立てた「まぐろぬた」や「きつねラクレット」など、日本酒との相性はどれも最高―幸せだ。正一合の純白の徳利はロゴ入りで、これも仲條氏のデザインだ。くびれたラインが美しく女性的で、徳利相手に飲む気分になる。事実、空になると寂しいから、ついついもう一本つけてもらってしまう、僕も常連になりたい名店。(空閑理)

※本文の内容は、『d design travel TOKYO』掲載時点(2012年8月)のものです。

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