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ジビエ料理 きくち

  1. 40年以上「きくち民芸店」を続けた菊地龍勝さんが店主。 日本全国の窯元や作家を訪ねて、必ず直接買い付けた、誠心誠意の民藝店を若者に譲って、始めた料理店。
  2. 濱田庄司、河井寛次郎、島岡達三らの器に盛られる、創作料理の数々。 民藝は、「使って初めて、そのよさがわかる」「つくり手半分、使い手半分で出来上がる」―その実践。敷地内に小さなギャラリーも併設。
  3. 獲物は店主自ら仕留めてくる。各国各地の旅の話。 「ヘミングウェイが好きで」と、旅したその土地の光や湿度、そこに棲む動物、人々の温かさまで、ありありと伝わってくる。

富山民藝の〝パパ〟 富山市中心街・総曲輪に小さな民藝店「林ショップ」がある。店主の林さんは、全国のつくり手のことを、実によく知っている。この店は、数年前まで「きくち民芸店」という老舗だったが、店主の菊地龍勝さんは、「民藝は何にも囚われない。若い感性で、じゃんじゃんやればいい。老兵は去るのみ」と、日本全国のつくり手との関係も丸ごと、林さんに店を譲って、自身は予約制のジビエ料理店を始めた。その店は、閑静な住宅街にある。ガレージから入って、趣味のいい中庭を通って店内へ。モダンジャズがかかり、棚には硝子器や陶器の数々。ゆっくりと料理と器を味わってもらいたいと、昼は二名以上、夜は四名以上六名まで。特に夜は一日一組限定。食材は、菊地さんが世界中を旅して仕留め、腕自慢の奥さんが料理する。エゾシカなんて初めて食べたが、臭みがなく、「食べやすい」というより「美味」。盛りつける器は、かつて菊地さん自ら各地で買い付けた物。「四〇年売れ残った」と笑いながら、それらを扱う手も目も、実に優しい。さらに、民藝運動初期の巨匠たちの器も、ここでは〝伝説〟や〝文化財〟などではなく、〝使うとても、いい器〟。濱田庄司の鉄絵六寸皿で刺身を、河井寛次郎の三角器で焼き茄子を食べた。「使わなければ、民藝はわからない」と、七一歳の菊地さん。次はアルゼンチンで本場のタンゴを聞きたいと言い、奥さんは、あきれます、と笑う。憧れる生き様がある、素敵な夫婦の店。(空閑理)

  • 富山県富山市呉羽町2575-20
  • 076-482-4006