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3月 d MARKET 開催。

2016年3月23日 公開

毎月開催している東京野菜の直売会「d MARKET」今回もたくさんのご来店ありがとうございました。3月のマーケットの目玉は「軟白うど」上の写真でちょうどセンターに並べた細長い野菜です。日光を遮断する土蔵の中で育てるためこのように真っ白になります。冬うどに比べてアクも少なく香りがとても良い春うどは、これからが最盛期。ダイニングに軟白うどが入荷すると春がきたのだなぁと感じ入ります。

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ところで、この軟白うどは「江戸東京野菜」のひとつでもあります。江戸東京野菜にはあまり聞きなれない野菜の名前が多いのですが、市場に流通しないのには理由がありました。3月の農家見学ではこの伝統野菜を作っている農家さんを中心に立川市へ行ってきました。

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まずは清水しげおさんの畑へ。ハウスへ入るなり迎えてくれたのは、大きな葉の群集、、、かと思いきや、小松菜です。江戸東京野菜の「後関晩生小松菜」という品種。我々が訪れる前に収穫期を迎え、基準のサイズに達していない小松菜を刈り取らずにいたところ、このように大きく育ってしまったのだとか。

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通常よく見かける小松菜は、チンゲンサイとの掛け合わせ。それに比べて固定種の後関晩生小松菜は、空気に弱く土から抜いて放っておくとすぐにしんなりしてしまう。流通に不向きで、市場には出しづらいのだそうです。しかしそんな弱さは微塵も感じないほど、両手に抱えた小松菜は肉厚で香りも良く、切り口から雫が滴るほどにみずみずしい。さっそく今週のランチタイムに「自家製ツナと伝統小松菜のペペロンチーノスパゲティーニ」としてメニューインです。

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次は同じ地区にある清水たけおさんの畑へ行きました。こちらでは「亀戸大根」を作っています。

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江戸後期から亀戸でつくられてきた大根は、根が30cmほどで葉が丸く、丸ごとぬか漬けにできるほど細っそりとして小さい。上の写真のように地中から首をぽっこりのぞかせてしまうのが最近の悩みだそうで、根がしっかり埋まっていないと大根の頭が大きくならなかったり、ひとつひとつの形がそろわなかったりと、これまた流通に不向きなのです。

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今回見学させていただいた野菜のほかにも、金町こかぶや寺島なす、滝野川ごぼうなど江戸東京野菜のほとんどがそれぞれの土地の名前をそのまま品種名にしています。ひとつひとつがその土地で育ったというストーリーを持ち、数百年経った今でも当時の人々が食べた野菜を同じように美味しくいただける、とってもありがたい野菜です。そうして昔からつくられてきた野菜は、現代の品種改良されたものに比べると、とっても弱く、育てるのにも手間がかかります。それでも伝統を守るということには意味があって、伝え手や食べるひとがいなくなると作り手も野菜を作らなくなり、現代では絶滅してしまった品種もあるそうです。食べることの意味、伝えることの意味を改めて考えさせられました。江戸東京野菜を来世へ引き継ぐためにも、まずは知ること、そして食べることを続けていきたいですね。
次回の d MARKETは4月17日(日)開催予定となっております。ぜひ江戸東京野菜を手に取って、ご自宅で使ってみてください。皆さまのご来店をお待ちしております。


D&DEPARTMENT DINING TOKYO 水田由貴