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井戸

  1. 「長尾製麺」直営の、 週末のみ営業の手打ちうどんの店。 福岡県の小麦の生産量は、北海道についで国内2位。ラーメン、素麺以上に地元の人々に愛されるのが、うどん。その名店の一つ。
  2. 美しい小さな町・吉井町を知るきっかけに。 古道具店「四月の魚」の関昌生さんや、ハム工房「リバーワイルド」の杉勝也さんなど、この町に住むクリエイターらと繫がり、刺激し合っている。
  3. ユニークな発想による建築。 目の前に建つ木造の製麺工場を、そのまま縮小化した外観デザインの店。内装のディテールやオブジェは、ユーモア満載。

〝底なしに深い井戸〟の手打ちうどん JR久大本線を、二両編成の赤、または黄色の電車で行く吉井町は、「よい井戸水の出る町」が町名の由来と言われる、水が美しい町。白壁の町並みを縫うように、透明で水量豊かな小川が流れて、その一つに架かる小さな橋の袂の、小さな水神社の参道の鳥居の脇に、小さな木造の仕舞屋がある。これが、「井戸」だ。「珈琲美美」の森光宗男さんを師と仰ぐ、長尾洋介さんが厨房に立つ手打ちうどん店。可愛らしい建物は、長尾さんが自分でデザイン。外観も内装も、すぐ目の前の、大正末に建てられた旧役場だった製麺工場を、そのまま縮小化したという。その発想に、僕は驚いた。うどんも、素材そのものの味を生かし、極シンプルなメニュー。かけ、釜揚げ、ぶっかけ、ざるの四品のみ。ごぼ天もかしわ飯もなし。茹で上がりまでは一二分。その間、置いてある故・長新太の絵本を読んで待つ。座る椅子は製麺場で使用していた備品。壁には、製麺場の木の窓枠を紐で吊り下げて、そこに職人がペン立てにしていた錆びた缶を針金で括りつけて、花挿しにしている。格好つけることを「ツヤつけとう」と恥ずかしがる福岡県人らしく、長尾さんは、何でもないような物を「これがいい。普通がいい」と見立てて、美しく、店で使う。長尾さんは、「店名は『井の中の蛙』から取った」と謙遜するが、「掘り続ければ、地球の裏側まで行ける」と続けた。センス抜群で、懐かしい〝絵本のような店〟。(空閑理)

  • 福岡県うきは市吉井町927
  • 0943-75-3155