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masuda

桝田酒造店 桝田隆一郎

  1. 多彩で華やかな、富山を代表する美酒「満寿泉」を造る。 1893(明治26)年創業の「桝田酒造店」五代目社長。誰が相手でもはっきり物を言う、切れに切れる千両役者。
  2. 江戸から明治にかけて、北前船で栄えた岩瀬の町並みを再生。 空き家ばかりで寂しかった故郷の、伝統的家屋や土蔵を保全・改修して、誇りを持てる町並みに整備する「岩瀬まちづくり株式会社」を起業、経営。
  3. 岩瀬を現代の芸術村に。常に手厚く、時に厳しい、地元作家の支援者。 酒、蕎麦、硝子、陶器、木彫、漆器など、各分野の腕利き、目利きを岩瀬に呼び寄せ、コミュニティーをつくった。

美しい酒と町を造る男たち。その悲願 富山の味濃い食材に負けない、豊かな香りと旨み、だがスッキリときれいな味―桝田酒造店の「満寿泉」は、実に華やかだ。酒造場がある岩瀬の町を、社長の桝田隆一郎さんと自転車で走った。シャツに藍色の印袢纏をなびかせて、「おーい」と町の人を呼び止めては近況を聞き、「ふぅん、そんなの、こうすればいいじゃん」と飄然とアドバイスをして、「じゃ」と走り去る。岩瀬独特の出格子「簾虫籠」が美しい伝統的な町並みは、二〇年程前までは、せっかくの建物はトタンで隠されて、活気も風情もないシャッター通りだった。桝田さんは以前、フランスのワインメーカーを訪れた時、建物も畑も美しく、どの店の料理も美味しく、センスがいい、そんな、〝地酒がある街〟の在り方に刺激を受けた。満寿泉と自身の故郷を、次世代の子供達が誇りを持てる町に変えたいと、解体寸前の屋敷や蔵を手に入れて、一軒一軒、秀麗に改修。代々この土地でよい酒を造り続けた信用が、それを可能にさせた。現在、岩瀬には、絶品蕎麦店「丹生庵」や、富山ガラス工房出身の硝子作家・安田泰三さん、越中瀬戸焼出身の造形作家・釋永岳さん、井波出身の木彫作家・岩崎勉さん、建物の修復を請け負う「大工一元」の工房などが密集していて、活気がある。本阿弥光悦が京都に開いた芸術村のような町を夢見る桝田さんは、自転車がついに海に辿り着いた時、「この町はもう寂しくない」と言った。本音だと思う。(空閑理)