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kumakura

山田写真製版所 熊倉桂三

  1. 日本のグラフィック界をリードする「山田写真製版所」のプリンティング・ディレクター。 製版、用紙、印刷方法、すべて考えて作品を仕上げるプロ中のプロ。
  2. 亀倉雄策、田中一光、石元泰博……名作の数々を生み出した「デザインの時代」の証人。 名だたる巨匠たちのデザイン観、人物像、すべてを語り継ぎ、若いデザイナーや技術者を鼓舞する達人。
  3. 次世代のデザイナーと印刷のエキスパートを育てる指導者。 印刷の楽しさや魅力を伝える「熊倉セミナー」を各地で開講。「熊倉チルドレン」とも呼ばれる次世代の面倒を見る。

富山にやってきたミスター・プリンティング 九〇年以上もの歴史を誇る「山田写真製版所(YPP)」は、プリンティング・ディレクター(PD)熊倉桂三さんを擁する、国内屈指の印刷所だ。PDとは、印刷物の制作意図を正確に理解し、技術的・時間的課題をクリアして、デザイナーと一緒に一つの作品を刷り上げるクリエイター。熊倉さんは、亀倉雄策や田中一光ら、大デザイナーと数々の仕事を成し遂げた後、当時のYPP社長から「住む家は用意してある」と熱烈なラブコールに応じて、富山へ。地方でも全国レベルの印刷ができることを証明するために、入社一年目で、国内コンペの最高峰「全国カタログ・ポスター展」に応募。入賞の喜びに熊倉さんは涙したが、「受賞の凄さがわからなくて、皆ポカンとしてたなあ」と懐かしむ。歩みだしたばかりのYPP印刷部門は、一躍デザインの表舞台に飛び出し、品質を求める仕事が次々と舞い込み、技術とモチベーションは短期間で急激に伸びたという。 現在も一週間おきに東京と富山を行き来し、仕事の合間にカヤックで渓流を下るんだよ、と話す熊倉さんの印象は、「職人」というよりは「紳士」。YPPにやってきて最初に指導したことはマシンの掃除。技術的なことだけでなく、心構えや身なりから若い社員を教育した。「東京の大手ではできない、五感に訴える高級印刷物を、地方でつくりあげていく」―それを実現・継続し、デザイナー天国・富山を創造した〝印刷の神様〟。(空閑理)