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エゾアムプリン製造所 加藤かおり

  1. 富良野の奥、丘の上でじっくり焼き上げられる、直径20cm、8人前の手作りエゾアムプリン。

そのプリン小屋に番地はない。住所表記は平沢丘の上。富良野市街地から車で約30分、森を越え林を抜け、とにかく丘の上にある建物を探した。畑が一面に広がる傾斜を登ったり下ったり。道行く人に尋ねようとしても人が歩いていない。農道と思われる砂利道をしばらく走って、ようやく看板を見つけたが周囲は360度畑だけ。まさかこんなところに全国誌や新聞に何度も紹介されてきた、知る人ぞ知る人気のプリン屋があるとは思えなかった。アムちゃんこと加藤かおりさんが所長を務めるエゾアムプリン製造所は、ご主人であるリーダーこと加藤公之さんと共に、離農した農家を基礎に、解体した納屋の廃材を使って建てた。「自分たちの力だけで生きていく」ことを実践する二人の生き方は極めてシンプル。1日18個しか焼けないプリンが生活資金の全てだ。自分の理想の環境を開拓してきたアムちゃんは、生業とするプリン作りに情熱を注ぎ込む。東京から北海道に移住することでアムプリンは「エゾ」を名乗り、試行錯誤の末に今の味にたどりついた。毎朝牛乳缶を持参して、もらいに行く成分無調整の搾りたて牛乳。近隣農家の自然派たまご、北海道でしか収穫されない甜菜糖に道産生クリーム。これらの素材をオーブンで70〜90分、場所を入れ替えたりフタをしたりしながら、付きっきりで焼き上げる。このプリンが文句なく、うまい。プリンに懸けるアムちゃんの執念が凝縮されている。ホームページも一見の価値あり。1つのプリンに、これほどのストーリーがあるのかと驚かされる。(三浦正嗣)