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「おだやかな革命」から考える、暮らしの選択

2018年1月31日 公開

映画「おだやかな革命」上映会&トークショー

ナガオカ まず今回「おだやかな革命」の上映会をヒカリエで開催しようと思ったのは、 様々な人とこの考え方を共有したいと思った時に、映画館を飛び出す必要性を感じました。この会場ならではの規模感を活用して、是非、登壇者と参加者の枠を超え、みなさんと渡辺監督と直接お話する機会になればと思います。

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「何かが変わってきている」

会場質問1 なぜ渡辺監督は、この映画を撮ろうと思ったのですか?

渡辺監督  今回の映画で3作目なのですが、2作目の「よみがえりのレシピ」を製作した際に、伝統野菜に関わる方々を通して、大量生産大量消費ではない生き方を取材しました。 なぜお金にならないことをするのか、、、。
そこには、種や植物を愛おしいと思う気持ちがありました。今では失われかけている感覚だと思います。 そしてその映画を上映するなかで、そのことに共感してくれる様々な方と出会いました。その出会いで「何かが変わってきている」ということを感じたのです。
ここ5,6年で確実に時代か変わっていることを感じています。良い稼ぎをすることが主流だった時代から、たとえばこの映画でも出てくるような、外資系の会社を辞めて、地方に移住し、水車をつくってしまうような、、、この何か変わってきている言葉にできない現象を名付けるとしたら「おだやかな革命」なのではないかと思い、エネルギーの話から始まり、最後は価値観の変化に繋がるような映画をつくりました。

ナガオカ テーマは始めから決まっていたわけではなく、世の中の変化をリサーチするなかで生まれていったということですか。

渡辺監督  そうですね。取材をするなかでも、どんどん広がりをみせていきました。 撮影時間にすると150時間位あるので、100分に縮めるのは非常に大変でした(笑)。 映画をつくるなかで、出会う人達の変化を感じたい、貪欲に学びたいという気持ちを強く持っています。

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会場質問2  地方での上映は可能ですか?

渡辺監督 はい。全国50箇所くらいを目指しています。 映画館がないところは自主上映という方法も既に行っています。100名までいくらという一定の基準もありますが、もう少し小さい範囲でも可能です。 (お問い合わせはこちらから)

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「大切なものを大切と思えるか」

会場質問3 映画が完成した後、監督自身が変わったことはありますか?

渡辺監督 谷崎テトラさんに映画の感想をいただいたのですが、そこで「大切なことは新しさを求めることではなくて、大切なものを大切と思えるこころ」という感想をいただいて、まさにそれだと思いました。 自分が大切だと思えることに対して、もっと真剣に向き合う必要があると思ったんです。今まで、斜めに構えがちだったので(笑)。 本当に感動したことに、精魂つくすような生き方をしたいと思えるようになりました。


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「何で満たされるのか」

ナガオカ  映画を観て、貨幣経済が終わりに近づいていることが最もショックだったのですが、これから都市はどうなるんでしょうか?

渡辺監督 東京生まれ東京育ちの友人が、鶴岡で企業してお酒をつくっています。 移住したり、ダブルローカルを始めたりするなかで、充足感を得る方法が変わってきていますよね。そんなにお金を稼がなくても心が満たされるんだと思います。
心の満たされ方が様々になっているなかで、信頼できる人からモノを買うことや、実際に自分達で手足を動かしてわくわくするようなことが、一気に広かっていくように感じています。

ナガオカ  先日、ミニマリストを題材にした映画を観ました。「人々はものを買う先に幸せがあると思っていたが、そこに幸せはなかった」というような言葉から始まります。 私達D&DEPARTMENTはモノを売っているので、かなりビビってます(笑)。大きなお店のスケールは終わりはじめていますよね。

渡辺監督  「心から共感すること」に興味が高まっていますよね。もしかすると、ものを店で買わなくなって、ものづくりの現場に行って買う時代になっていくのかもしれません。 友人のような関係性の中で、ものをつくったり、買ったり、大きくなくて、小さな継続可能な循環が当たり前になってくると思います。

ナガオカ  東京でも少し前から小さなお店が流行り始めました。店主ときちんと話して買うという距離感に充足感を感じているのかもしれません。

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「自分たちで作り出すこと」

会場質問4  日本はドキュメンタリーのような商業的ではない映画はあまりつくられない印象ですが、 監督は普段どのような生活や仕事をされているのですか?

渡辺監督 このようなドキュメンタリー映画をつくりながら、自分自身で配給もしています。 2作目をつくっていた頃はクラウドファンディングはまだなくて、告知の紙を手で配って費用を集めていました。今は資金集めに関してはチャンネルができたので、急激に変化していると思います。 あとは、関係で仕事が生まれることが非常に多く、お酒のプロモーション映像をつくったりしています。
ゆくゆくは、今住んでいる山形で「おだやかな革命」をしたいと思っています。それは映画でも何でもよいと思っているのですが、とにかく空洞化する地方では「自分達でつくること」をやっていかないと厳しい時代になっています。

ナガオカ なぜ自分の配給まで?

渡辺監督 このようなドキュメンタリームービーは、日本で目に触れる機会が少ないかもしれませんが、世界的に見るとが爆発的に数が増えています。 そして配給会社の数と作品の数のバランスがとれていないのが現状です。となると、配給会社も売れる作品から順に手をかけていくしかありません。映画業界もまだまだ貨幣経済から抜け出せないですね。
あとは、自分が監督でありながらキュレーターのような気持ちで、映画に出ている人と観客を繋げることができたらいいなと思います。 そこから派生して、上映する地域に暮らしている人がトークに出てきて議論をするような。そこからも「おだやかな革命」が生まれてくるのではと思います。

ナガオカ それ、やってほしい!

渡辺監督  地域の問題に対して映画をみた人同士で繋がるような。見た後に何かが生まれる映画をつくりたいです。

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「暮らしの選択」

会場質問5  映画のなかで自発的に活動する方々の姿に感動しました。これを政府の人に見てほしいと思いましたが、 「おだやかな革命」に助成金などを活用すべきだと思いますか?それとも、そのような力は借りずにすべきだと思いますか?

渡辺監督 かつて、各市区町村に地域振興の為に1億円を交付した「ふるさと創生事業」がありましたよね。すぐ何かをつくって使ってしまった地域と、若者を留学に行かせるような地域もあったと聞きました。 お金の「使い方」が明暗を分けたんですよね。お金をどう儲けるかよりも、どう使うかが重要だと思います。
助成金などをもらっていても、しっかりと事業としてして、きちんと循環している地域もあります。 そのような地域は行政の方と話していても、使い方と儲け方の考え方が清々しくて、話していて気持ちよいです。
この映画は「暮らしの選択」をキーワードにしています。どういうエネルギー会社から電力を買い、どこで服を買うのか。 これから人口が減り、地域の財政は厳しくなってくるなかで、自分として、仲間として、どうやって地域を持続させていくのか。 お金ことも、様々な問題もポジティブに捉え、楽しみながら、一人一人のスキルで街を動かし、それにすごく影響を受けて次のアクションが生まれるような循環が始まっていると思います。

ナガオカ  東京のことを悪く言うつもりはありませんが、自分一人で東京を変えられるか?と疑問に思った時、「暮らしの選択」として、もっと自分のスケールにあったところで、自分の能力を活かしたいと考える人たちが増えていますよね。それが移住に繋がっていると思います。

渡辺監督  そのように「暮らしの選択」をするなかで出会った人間関係から、何かが生まれていくことが本当に多いですね。地方同士は抱えている問題も同じなので、お互いに可能性を感じることができて、違う地域同士でも仲間のようになることも多いです。東京に暮らしながらも、そういうことはできると思いますが。

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渡辺監督  ナガオカさんが発刊している『d design travel』で真似したいと思っているつくり方があります。 トラベル誌を制作する際にワークショップとして、地元の方々からおすすめポイントをきくワークショップありますよね。 それと同じようなことがドキュメンタリーでもできると思ってます。 意外とそういう方法でつくることってないんです。作家とか主体性を重んじるのではなくて、地域から刺激をうけて編集をする。そして、それを見た人がその土地をトラベルする、というのをやってみたいんです。

ナガオカ  それ、すごい面白いと思います。是非、やってください(笑)

渡辺監督  映画以外のところから影響を受けて、様々なことに繋げていきたいと考えてます。

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「お金では得られない充足感」

会場質問6  お金じゃない充足感を得るにはどうしたらいいですか?

渡辺監督 お金ってこんなにも曖昧で、当てにならないんだと思うようになりました。 お金に振り回させると疲れてしまいますよね。 貨幣を使って、何でも手っ取り早く解決するのではなくて、 自分とちゃんと繋がれるものを必要とする人が増えていると思います。
規模を小さく考え、自分の人生で出会った「かけがえのないもの」を、自分の生活に取り入れることがお金ではない充足感に繋がると思います。食、服、器など身の回りのものを一つ一つ、かけがえのないものに置き換えて行くことが、当たり前のことを取り戻し、お金では得られない充足感に繋がるんじゃないかと思います。

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「繋ぎ役になれるか」

会場質問7 「おだやかな革命」と「時間」の関係はどう考えられていますか?

渡辺監督 時間軸の長いことに取り組むことが必要だと思います。それには「なぜこれに取り組むのか」を周囲と共有することが大切ですよね。何が社会にとって大切なのかを、それぞれが考えて選択することで、社会は確実に変わって行くと思います。急激な成長よりも、時間をかけることで得られる充足感を得るためには、自分たちを「繋ぎ役」として考える想像力がないと難しいです。 例えば、農家が自家採種するには10年単位での時間軸が必要で、かつての農家はそういうことを時間をかけてやってきていました。一企業が10年先を見据えるような活動ができるかどうかを考えると、 我々がそういう会社を応援することもとても重要だと思います。

ナガオカ 長い時間をかけないとできないことが絶対にありますよね。そこを見直していく時代になっていると思います。長い時間軸の中で自分が「繋ぎ役」だと思うような考え方が、経済を蘇らせると思います。それぞれの地域で、それぞれの場所で、それぞれのやり方で、、、 ちょっと焦ったらこの映画を思い出せばいいですね。

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ついに、2月3日からポレポレ東中野にてロードショー!初日には、まるで映画の中に入って行けるようなイベント「SIMPLE LIFE MARKET」が行われます!最新情報はこちらでも更新中です。

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d47 MUSEUM SHOPでも特別先行券(1300円)にて販売中です。ポレポレ東中野での上映も2月3日から1ヶ月以上は開催され、その後にはアップリンク渋谷での上映も予定しているようなので、東京でご覧になる予定の方は、是非こちらのチケットがおすすめです。