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「漆器くにもと」訪問レポート

2017年11月11日 公開

「富山プロダクツ」とは、富山県内で企画・生産される製品の中から、性能、品質及びデザイン性の点で優れたものを選定する取り組みです。2017年10月30日~11月12日にD&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYで開催する「富山プロダクツの過去/現在/未来」では、今年新たに選定された「富山プロダクツ」を紹介するとともに、16年間の歩みをご紹介します。

今回は今年の選定品のひとつ、ガラスと漆のぐいのみ「MASU」の製作を行っている「漆器くにもと」の4代目 國本耕太郎さんにお話を伺ってきました。


漆器くにもとは高岡駅から徒歩15分ほど。こんにちは、と店内に入ると、國本さんが笑顔で迎えてくださいました。

20171111_kunimoto_1「漆器くにもと」4代目 國本耕太郎さん

 

1.ガラスと漆

こちらがガラスと漆のぐいのみ「MASU」。四角のガラスの塊を削り出し、底面に漆が貼られているため、横から見ると、ガラスに漆が映って角度によって見える模様が違います。

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20171111_kunimoto3底面に塗られた漆は、「たたき」と呼ばれる技術で滑りにくくなっています。

次に上から見てみると、角が面取りされていることによって映る結び目のような模様が見えます。

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ガラスと漆、あまり聞かない組み合わせですね。一般的によく知られているのは、木に漆を塗る方法ではないかと思います。ガラスのようなツルツルとした面にはあまり漆が定着しづらい、と國本さん。昔からガラスと漆の組み合わせのものは存在していたそうですが、強度があまりなく、観賞用のものに使われることが多かったとのこと。しかし今はプライマーの性能が上がってきたことで、今回の「MASU」のような日常的に使えるものも制作できるようになったそうです。

手に取って、色々な角度で見る。日本酒をいれて上から覗いてみる。使い方によって色々な表情を見せてくれる「MASU」は、毎日飲む時間を特別な時間にしてくれると思います。

 

2.漆器くにもと

「漆器くにもと」では、漆器の他、高岡の企業の製品の販売も行っています。さらに、新しい商品のプロデュースも手掛けています。國本さんは、商品化する際、自分が欲しいかどうかということを基準にしているそう。「欲しくないものは、作らない。だって買いたくないもん」と笑って話す國本さん。

さらに、國本さんは職人としても経験を積んでいます。ものづくりを一通り経験していることで、自分でもつくる工程が理解できる。そして職人さんと対等に話すことができる、と國本さん。新しい製品の提案の際は、現場でできないと言われたことも、自ら挑戦してやってみせる。そうして職人さんに提案できた商品もあったそうです。

 

3.高岡の職人たち

「高岡の職人が他と違うところは、みんな仲がいいところ」と國本さん。高岡は昔から分業で、それぞれの分野にプロフェッショナルの職人さんがいます。色々な技術が残っているから、作りたい質感、耐久性、コスト面を考えて自在にものづくりができる環境が高岡にはあります。そして職人さんたちの横のつながりが深いことで、製品をつくるのに必要な技術を持つ職人さんに頼むことができ、スムーズに製品開発ができるそうです。
さらに、技術が命の職人さんは、自分の持っている技術を明かすのは本当は難しいのでは・・・と思います。しかし、ここが高岡の職人さんの太っ腹なところ。高岡の職人さんは、聞かれたらどんどん答える関係性ができているのだそうです。自分もそうやって先輩に色々教えてもらったから、と國本さん。きっと昔から、職人さんたちは技術だけでなく友人や師弟としてお互いを大事にしていて、それが今でも受け継がれているのでしょう。その繋がりが、今回の「MASU」のような新しい商品を生み出したのだと感じました。

D&DEPARTMENT TOYAMA 島田瑞季