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小寺暁洋さん

2017年8月1日 公開

ガラスの町「富山市」の拠点でもある「富山ガラス工房」。ここでは、ガラス作家を目指す人々が全国・国外から集まります。

2017年7月2日〜8月6日に開催するNIPPON VISION MARKET「富山ガラス工房 15人のグラス」では、富山ガラス工房に所属する作家の皆様に、同じ形のグラスを作って頂きました。今回、製作してくださった作家にお話を伺ってきました。


1.きっかけは修学旅行

兵庫県出身の小寺さん。工業高校のデザイン科に通っていて元々ものづくりが好きだったそう。小寺さんがガラスに興味をもったきっかけは、高校の修学旅行で北海道の小樽へ行った際に吹きガラスを作っているところを見たこと。「その時に見たガラスがとても美しく、他にない作り方がかっこいいと感じた」と小寺さんは言います。
そして芸術大学に進学した小寺さんはガラスを専門的に学びます。大学卒業後の進路を決める際に「ガラスでやっていけるのかという不安もあったが、先生が背中を押してくださった」と大学の先生からの後押しもあり、富山ガラス工房に就職を決めたそう。所属して今年で2年目です。
 

2.様々な技法にチャレンジ

普段作成している作品や使用している技法について聞くと、「銀箔を最近はよく使っているけれど、定番のアイテムというのは特にない」と話す小寺さん。作家としての歴が短い小寺さんはまだまだ模索中らしく、様々な技法を試しているとおっしゃっていました。
ただ、前は型吹きガラスをよく作っていたそうですが今はケインワークがメインだそう。ケインワークは色のついたケイン(ガラスの棒)を使って柄をつける技法です。
実際に制作するところを見させていただきました。

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少しわかりにくいですが、型の内側の縁にある黒く細い何本もの棒がケインです。型の凹んでいる部分にケインをはめ込み、溶解炉から巻き取ってきた透明なガラスを型に押し込みます。そうすることにより、ケインと透明なガラスが接着し、柄をつけることができます。

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また、「人の手によるものだからと言って手作り感は出したくない。形が揃っているのが好き」という小寺さん。同じものを何個も制作するときも「1mmもずらしたくないという思いで制作している」というこだわりも語っていただきました。
 

3. ラインにこだわる

今回の企画でワイングラスを作るにあたり、なんとD&DEPARTMENTをイメージして制作してくださったそう。「D&DEPARTMENTに行ったときに医療用の万能壷が置いてあったのが印象的だった」と話す小寺さん。これがそのワイングラス。万能壷と色がそっくりです。

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他の作家さんのカラフルなワイングラスに比べると、シックな雰囲気。「大人っぽく仕上げた。男女問わず使ってほしい」と小寺さんは言います。

そしてこだわりはワイングラスのステム(脚)の部分。アヴォリオという独特の持ち手です。ベネチアのオーソドックスな技法なんだとか。
「ラインを崩さずいかにきれいなステムを作るかにこだわった」と小寺さん。またフット(土台)部分もやぼったくならないように、シャープさを意識したそうです。
ちなみにこのグラスは先述したケインワークで制作したグラスです。

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ジャックという道具を使ってガラスを挟み込んでラインを作ります。ガラスが冷めないうちにラインを作らなければいいので、素早いスピードで仕上げます。あっという間にラインが作られたので、写真を撮るのが大変でした・・・。

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4.ガラスの美しさ

最後にガラスの魅力について伺いました。「家の中にガラスがあると生活や心を豊かにしてくれる」と小寺さん。また「ガラスは陶器に比べて日用品の中で美しいものだと思う」とも。ワイングラスのステム(脚)とフット(土台)の形のこだわりからも、小寺さんはガラスにしかない造形に美しさを感じているのではないかと思いました。
「日用品としてのガラスもいいけれど、様々な職人に使ってもらえるような作品を作っていきたい。芸術家の方にも認められるような作品づくりを目指したい」と今後の目標も語っていただきました。

形の美しさにこだわった小寺さんのグラスを是非店頭でご覧下さい。

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