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東南早織さん

2017年7月23日 公開

ガラスの町「富山市」の拠点でもある「富山ガラス工房」。ここでは、ガラス作家を目指す人々が全国・国外から集まります。

2017年7月2日〜8月6日に開催するNIPPON VISION MARKET「富山ガラス工房 15人のグラス」では、富山ガラス工房に所属する作家の皆様に、同じ形のグラスを作って頂きました。今回、製作してくださった作家にお話を伺ってきました。


1.ホンジュラスでの体験

学生時代はスポーツ一筋だったという東南さん。体育教師、養護教員として数年勤務されたあとに、青年海外協力隊として2年間中米にあるホンジュラスへ。このときの経験がガラス作家の道へと繋がるのです。
ホンジュラスは世界で最も危険な国と言われるほど治安が悪いのだとか。毎日のように殺人が起き、死がとても身近なものだったそう。そういった環境により、人生がいつ終わるかわからないから後悔のない人生を送りたいという気持ちが強くなった東南さん。元々興味のあったガラス作りをやってみようと思い立ったそうです。
帰国してしばらく教員勤務をした後、知り合いの作家に紹介されガラスを学びに富山へ。富山ガラス工房に隣接している富山ガラス造形研究所の造形科で2年間ガラスの勉強し、今年の4月から富山ガラス工房で勤務されています。
 

2.ゆっくりとした時間の流れ

「時間がゆっくり流れるような、そう感じられるような作品作りを目指している。目標は普段使いできるようなゴブレットを作ること」と東南さん。
「例えば、お母さんが子供のお迎えに行く前の15分の間にそのゴブレットで飲み物を飲む。手に持つゴブレットを見て、なんでこんな形なのだろう、とふと日常の忙しさを忘れさせてくれるような形のゴブレットをつくりたい」と笑顔で語っていました。

また、東南さんの作品はタイトルが特徴的です。親しみのある、分かりやすいタイトルをよくつけるのだそう。
これは冷酒グラスです。「ちょこっとお花のついたおちょこ」というユニークで可愛らしいタイトルがついています。

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このおちょこ以外に同じシリーズの箸置きも作っているそうで、実際に作るところを見せていただきました。花びらの形は大きなピンセットでガラスを摘んで作っています。

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3.シンプルなデザインの理由

今回の企画について伺いました。東南さんの作るワイングラスはステム(脚)の中に赤色の水玉のみというシンプルなデザインです。

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「デザインがシンプルな方が形が際立つので、きちんとしたワイングラスの形を作りたい」と東南さん。グラスの部分もそうですが高さを揃えるのも難しかったそうです。

またこのようなシンプルなデザインには理由があります。「自然の中で生かされていると思っているので、自然に迷惑をかけたくない」という東南さん。ガラスを始めて3年目、まだまだ失敗することも少なくないそう。失敗した作品は廃棄物となってしまいますが、無色のガラスだと再利用することができます。色を使用する場合は富山ガラス工房で再利用できる色を使うのだとか。廃棄物を出したくないという思いからこのような作風になったのですね。
 

4.ガラスの魅力と将来について

最後に東南さんが思うガラスの魅力を伺いました。「ガラスの魅力は透明なこと。熱せられたガラスはオレンジ色なのに冷めると透明になるのは不思議なんですよね」と東南さんは言います。「溶解炉からガラスを巻き取ってきたときの色がきれいで好きなんです」と、実際に見せていただきました。ガラスは冷たいイメージがありますが、熱せられたガラスは暖かみを感じます。

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「将来は工房とショップとカフェがいっしょになったお店をつくりたい」と将来についてもお話していただきました。「ホンジュラスのコーヒーを出したり、ゴブレットでゆっくりとした時間を過ごしてほしい。」と楽しそうに語る東南さんでした。

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