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和田修次郎さん

2017年7月11日 公開

ガラスの町「富山市」の拠点でもある「富山ガラス工房」。ここでは、ガラス作家を目指す人々が全国・国外から集まります。

2017年7月2日〜8月6日に開催するNIPPON VISION MARKET「富山ガラス工房 15人のグラス」では、富山ガラス工房に所属する作家の皆様に、同じ形のグラスを作って頂きました。今回、製作してくださった作家にお話を伺ってきました。


1. バンドマンからガラス作家へ

28歳までバンドマンとして活躍していたという和田さん。たまたまガラスの展覧会に足を運び、近くの工房の講座に行ってみたことがきっかけで、ガラスの世界へ足を踏み入れます。ガラス作家への道を志してからは、個人工房で腕を磨いたり、ガラス工場に勤務したことも。アメリカでのワークショップを機に、15年前に富山ガラス工房へ。富山ガラス工房は設備も人も魅力的で、憧れの工房だったそう。「陶芸家のようにじっと集中して作業するよりも、動き続けている方が自分には合っているんです。」とはにかむ和田さん。工房内のガラス作家さんを見ていると、皆さん汗だくになりながら、リズミカルな動きで駆け回り作品を作りあげています。ガラス作家という職業は、和田さんにとって天職だったに違いありません。

2. ガラスの透明感に寄り添うデザイン
和田さんの作品は一見シンプル。「ガラスは透明が一番綺麗だと思っています。じっくり見ないとわからないような模様をつけることが多いですね」と言います。また、自然から影響を受けることも多いのだとか。今企画で制作いただいた2点のワイングラスのうち、一点は「風の道」という風の流れをモチーフにしたグラスです。

img_2876もう一点のこちらは「クロ」というタイトルのグラス。縁にクロ色のガラスを施すことで、ガラスの透明感を引き立て、柔らかい口当たりの仕上がりに。デザイン、機能ともに考えられたグラスです。

3. 脚まで美しい「ピンブロー」を取り入れたグラス

今回の企画について和田さんは「脚付きのものを作るのは久しぶりで、再チャレンジの場だった」といいます。久しぶりだったという脚の部分は、ピンブローという技法を取り入れています。ピンブローとはガラスの塊を吹かずに成形していく技法です。熱いうちに小さな穴を開け、湿らせた新聞紙をあてがいながら、水蒸気と遠心力を使って広げていきます。

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img_3707台座の部分は広く薄い仕上がりに。ぽってりした脚とのバランスが可愛らしく、また美しい。

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今企画では、皆さんに「同じ形のグラス」として制作をお願いしましたが、グラスの形に対してどのような脚が美しく、どのような技法が適しているのか、突き詰めて考えていただき制作していただきました。和田さん、本当に本当にありがとうございました!!

4. ガラスの魅力とこれから

最後に、ガラスの魅力について伺いました。「ガラスと聞くと冷たい印象を持つと思いますが、溶けたガラスは柔らかく有機的。トロトロに溶けたガラスはとても美しいんです」と和田さん。和田さんのグラスは、繊細な気泡やラインがどこかあたたかみを感じさせ、毎日食卓で使いたいなと思わせます。ガラスの透明感を追求しただけではない、和田さんが制作過程で見てきたガラスの動的な美しさが作品に閉じ込められているように見えました。
またこれからについて伺うと、「今まではいかに時間を短縮できるか考えていました。中量生産が多かったんです。今後は、ひとつのものに時間をかけてじっくり作ってみたいですね。」
作品に向き合う環境が変わったとき、和田さんはどんな風にガラスを見て、どんな作品を生み出すのでしょうか。今後の和田さんの活動に注目していきたいと思います。

 

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