D&Department

D&DEPARTMENT ネットショップへ

_mg_7798

食の語り部2017レポート③ 信州の米と水、微生物から生まれる伝統の酒づくり

2017年6月4日 公開

第15回 良い食品博覧会にてd47食堂内で開催された「食の語り部」講座のレポート。

語り部 第3回目は長野県で日本酒や甘酒を作られている「橘倉酒造」の井出民生さんに、「信州の米と水、微生物から生まれる伝統の酒づくり」をテーマにお話しいただきました。

 

2種類の小さなカップに入った日本酒を飲み比べから始まった語り部の会。
「皆さんは、どちらの日本酒が美味しいと思いましたか?」
ひとつは、橘倉酒造を代表する銘酒「菊秀」。もうひとつは、スーパーなどで良く見かける、アルコール添加酒。

_mg_7703

 

ゆっくりと、井出さんのお話しは、始まりました。

日本酒は、果汁に糖を含むワインと違って、米のデンプンを麹によって糖に変えながら酵母がアルコールを作りだす、「並行複発酵」と言う非常に手間のかかる工程を経て生まれます。

それに対し、米を全て粉末にし米汁を工業的に精製された糖化酵素で糖化し酵母菌によってアルコール発酵させる「直列単醗酵」と言う工業的大量生産型。製造は、全てパイプの中で行われ大切な酒粕も出ない日本酒。

_mg_7711

 

酒造りは、人の成長に良く似ている。酒の源を酒母(しゅぼ)と呼び、抱き樽という湯たんぽを入れ、優しく温める。貯蔵するタンクが寒過ぎたら腹巻をして温めてあげて。麹を休ませてあげる時は、風邪を引かないように上掛けをする。人も酒もパイプの中では、旨みや艶、味わいは深くならない。汲み出したばかりの若い酒も、それは、美味しい。ゆっくりと時間をかけて熟成された酒は、時間の分だけ深みや、内側から滲み出る旨味がある。丁寧に育てる事、蔵に住み着く菌達と共存し環境が育む、酒自身の個性が味わいとなる。

井出さんが、最後にお話ししてくださった事。とても印象的でした。

_mg_7723

「絵や音楽を楽しむように、お酒の鑑賞力を高めてください。製造方法による酒質もいろいろ。それぞれの個性を評価してください。ただ酔うために飲むのでは無く、豊かな食文化を楽しむための酒。そこには、必ず会話が生まれます。大いに語りあいましょう。そして、是非お酒を鑑賞し、あなたの大好きな酒を見つけてください。人の和や喜びが繋がり、拡げる酒を造りたいと思っています。」

_mg_7795

 

最後に、橘倉酒造を代表する4種類の酒を皆で試飲。それぞれに個性があり、参加した皆さんそれぞれの好みの酒の話で盛り上がったりと、いつのまにか会話が生まれ、井出さんのおっしゃっていた、「人と人との和をつなぐ酒」がそこにありました。

良い食品の会を通して、その先にある場所、それは何より心。健やかな私達の明日に繋がるのだと思いました。

(d47食堂 関 紗代子)

 


食の語り部2017レポート
その他の記事はこちら

葡萄づくりからワインづくりまで。日本らしいワインの魅力を学ぶ。
日本の菓子、米菓の魅力。原材料から本物の味を。
信州の米と水、微生物から生まれる伝統の酒づくり。
美味しい醤油づくりを支える、食材へのこだわりと安全。
微生物の働きから知る、美味しい味噌の選びかた。
知らない牛乳の世界。美味しい牛乳は牛の健康から。
本当においしい出汁の話。日本のかつお節文化を守る。