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土遊野1

循環するいのち −土遊野見学レポート−

2016年6月8日 公開

5月23日、富山県富山市の山奥、「土(ど)」という集落にある農家・有限会社土遊野へ見学に。
土遊野さんは、平飼い養鶏と有機米を主軸にした「有畜複合循環型農業」を営み、そこで育った卵や野菜をD&DEPARTMENT DINING TOYAMAで使用しています。

平飼い養鶏場では、鶏のひながかえる瞬間を見学させていただきました。
孵化の適切温度とされている37.5℃が徹底的に管理される孵卵器の中には、
くちばしで殻を破り、足から出てこようと今にも「生まれてこようとしてくるところ」のひなが。

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人工的な機械の中に入っているものの、しっかりと自分で殻から出てくる様子に、生命力の強さを感じました。
生まれてきたばかりのひなの毛は、まだフサフサとはしておらず、少ししっとりとしていました。

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そして平飼いの鶏の卵を産む瞬間!……には残念ながら立ち会えなかったものの、
私たちが少し養鶏場から離れた隙に生まれてきた卵も持たせていただきました。
生まれたばかりの卵はまだほんのり暖かく、いのちのぬくもりを実感しました。
土遊野さんでは、卵を産む役割を終えた廃鶏を最後まで美味しくいただくことを伝える活動もしています。

鶏舎の見学の後は、田植え体験。

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ポット苗という、苗の下に1cm角の土が付いたものを使用して、体験させていただきました。
手で植えたときにも、しっかりと土壌に植えられるのが特徴です。

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植え終わった後は、大豆・米ぬか・発酵肥料で作られた肥料を田んぼ一面に撒いていきます。

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3〜4m四方を一区角として、10kgほどの肥料を各区画に満遍なく撒いていくのですが、
撒いても撒いてもなかなか肥料は減っていかず、一苦労でした。
150反(1反=10m×100m)の田んぼを所有してる土遊野さん。私たちが今回体験した田植えは1反のおよそ3分の1。
広大な土地での作業にかかる時間や苦労は想像もつきません。

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また、土遊野さんがある土には水道が通っていないため、お隣の八尾から水を引いています。
春、農作業が始まる前に用水路の清掃をするそうですが、
水路の中には、冬眠中の動物や、冬を越せずに死んでしまった動物がいることもしばしば。
農業というのは、常にいのちに囲まれて営んでいくものなのだなと感じました。

土遊野さんでは、田んぼや畑、養鶏場を守るために、人だけでなく、犬や猫も働いています。
そうして守られた養鶏場では毎日ひなが生まれ、卵を産む健康で立派な鶏へと成長し、
その役目を終えると、私たち人間が美味しくいただく。
田んぼで使用した肥料に入っている発酵肥料は、鶏糞から。
農業に必要不可欠な水を通す用水路には多くの動物が住んでいる。
周りの自然や動物たちに生かされ、彼らとともに生きることで成り立つ農業。

「循環するいのち」について強く感じ、考えることのできた1日でした。

D&DEPARTMENT TOYAMA プロジェクトスタッフ 野村斗萌