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リバーリトリート 雅樂倶

  1. 古い温泉宿を大胆にリノベーションしたデザインホテル。 ダンボール製造や環境事業を手がける「アイザックグループ(旧・石﨑産業)」が経営。決して有名ではなかった「春日温泉郷」を、全国から人が訪れる名所に。
  2. 建築家・内藤廣氏が設計した新館の創意。 神通川を見渡すメインロビーの壁面は、積み重ねたプレキャストコンクリート。全客室の中庭には、それぞれ異なるアートを展示。
  3. 浴衣、下駄OK。それでもくだけすぎない、デザインの洗練。 スイートルームは最大8人宿泊可能、家族3世帯でわいわい泊まっても楽しそう。レターセットは八尾の「桂樹舎」の和紙。

富山の川を見てほしい 県内屈指のリゾートホテルとして知られる「リバーリトリート雅樂倶」。このホテルがある「春日温泉」は、もともと、周辺にいわゆる温泉街はなく、ひっそりと静か、はっきり言うと寂れていた。ここに残っていた、築約四〇年の温泉旅館が移転することになり、それを惜しんだ地元企業「アイザック」の社長・石﨑由則氏がリユース、リデザインして二〇〇〇年にオープンさせたのが、「リバーリトリート雅樂倶」だ。二〇〇五年には建築家・内藤廣氏が設計した新館も出来上がり、幅二〇〇メートルの神通川を眺めるメインロビーとオープンテラスは、京都鴨川の納涼床を一〇〇倍ワイルドにした感じで、僕は好きだ。アロマテラピーのサロンがあり、館全体にアートが溢れ、客室は全室異なるデザイン。いかにも洗練されたザ・デザインホテルに生まれ変わったが、真の魅力は、それでもなお、温泉旅館的なリラックス感と、そのままの自然環境を、意図して残したことだ、と僕は思う。凄腕シェフがいるというレストランにも、アートブックが棚に詰まったライブラリーにも、浴衣に下駄でOK。新館に泊まると、内風呂から、ゆったりと流れる神通川を眺められる。翠色の水面から立ち昇る白い霧が、ゆっくりと川下へと流れていく。美しい。夜になると、静まり返った山影から月がのぼり、細波にきらきらと月光が揺れる。地元企業が残してくれた、実に趣深く、風情ある土地だ。(空閑理)