2010年6月19日 23:52更新
大阪でこっそり舟での会合が開かれた。d design travelの広告担当の松尾が、大阪で多くの人と知り合っていく中で、お世話になり、その感謝の意も込めて催された。直前に降り出した突然の雨によって、当初予定していた屋根のない舟には乗ることができず、通常は、落語家が案内する「なにわ探検クルーズ」などで利用されている屋根付きの舟に変更された。しかし、それがかえっておもしろかったのだ。水面に近い目線で設計されているため、水面の動きの臨場がすごい。舟がひとつ動くことで、これほど波が立つのかと驚かされた。そして、水面から飛び上がっていく魚(ボラ)の姿も、とてもダイナミックだった。
そんな舟に乗り、大阪の水路を往来する。船の中は飲み会だ。洗練された雰囲気等ない。しかし、それが良かった。大阪人は、洗練された雰囲気では、通常の半分も力が出せない。この場合の力は、人を笑わせられるか、という力のことだ。大阪人は、笑いに対して貪欲だが、反面とてもシャイだ。パーティーと言われると、行きたくならないが、飲み会と言われると行きたくなる、そういう生き物だ。きていただいた方々には、とても楽しんでいただくことができた。とりたてて何もしていないが、そういう飲み会であったことがよかったのだ。
会が終わって、舟から上がった松尾に、心の中で小さい拍手をおくった。その土地らしさを理解するには、その土地をつくってきたその土地の人を理解しなくてはならない。時に、デザインがないことも必要だ。そして、それもひとつのデザインである、と思ったから。ものをつくるだけがデザイナーではない、ナガオカがかつて語ったこの一言に惹かれ、参加した自分の初心を思い出した。