ひっそりと休まるデザイン

2010年5月 5日 21:47更新

今日は鹿児島を離れ、早朝から有田陶器市に向かう。デザインモリコネクションの小田さんご家族に会いに、また、D&DEPARTMENT佐賀準備室の仮出店を見に行く目的だ。

陶器市の中でマーナ60やアデリア60、野田琺瑯等の生活雑貨が並び、さらにエース60までが並ぶ。それは、陶器市に突如現れる特殊な場所となっている。マーケティングなどをしている人からすると、叱られそうなミスマッチだが、これも少し、笑える。何度か来ているが、いつもは小田さんに会ったら、あまり多くを見ないまま帰ることが多いのだけれど、今日は少し時間をかけて、上有田駅から有田駅までの陶器市会場を歩いてみた。伊万里焼きや、有田焼きは、絵付けが多く、色もカラフル。装飾的な絵付けを見続けるのは、なかなかのハードークだ。天気もよかったので、色が強く目に飛び込んでくる。体力もさることながら、一番は、目が疲れた。そんな中、森正洋さんの陶磁器は、ちょっとした箸休めのような存在に感じた。森さんのデザインは本当にとても落ち着く。小田さんたちが、この場所に出店し続けているのは、陶器市がややもすると、大バーゲン市のようになり、ただ消費だけが繰り返されている場所になってしまってきていることに、ひっそりと、休まる場所を提供しているような、そういった意味を持った取り組みなのかもしれない、としみじみと感じた。シンプルでずっと使えるものに触れる、という喜びを再認識した。


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今は、鹿児島への帰り道。今回の佐賀準備室では、dフライヤーを作った、その中で、小田さんに、佐賀準備室について書いていただいた文章を、今、読み返している。それを記すことにします。




 ナガオカケンメイさんとの出会いは、2003年の冬だったと記憶しています。ナガオカさんより連絡をいただき、奥沢のお店まで出かけました。1階のカフェで一方的に森正洋や私たちの状況を話したように思います。うんうん、にこにこと聞いてくれていたのが印象に残っています。そのあと遠慮がちに「森正洋にお願いしたら「VISION'D VOICE」に登場してくれるかなー」と相談を受けました。その後、この企画は実現し、「VISION'D VOICE 008 MASAHIRO MORI 2005」として出版されました。

 「D&DEPARTMENT」が出てきたとき、思想やヴィジョンをしっかりと掲げた売り場が登場したなと心強く思いました。D&DEPARTMENT PROJECTの活動とデザインモリコネクションの活動に共通するものは、「ロングライフデザイン」という言葉です。森正洋は常々「売り場でずっと応援をして売り続けてくれるのが、定番だろう」と言っていました。私たちも、使い続けたいと思うデザインのものであろうと、売ってくれる場がないといけないと思っています。

 私たちデザインモリコネクションは、D&DEPARTMENT PROJECT SAGA準備室として、森正洋の生まれた土地、私たちの生まれた土地で、「D&DEPARTMENT

PROJECT」という活動・考え方を、どのように展開していけばよいか考えています。大きな都市では、多くの人たちがいろいろな考えでお店を作り、いろいろなものや情報を提示していますが、地方、特に佐賀あたりまで来るとまったく乏しいのが現状です。自分たちの地元の売り場でいろいろなものに触れながら「デザインのこと、暮らしのこと」を話せるのが一番のすばらしいことではないでしょうか。佐賀で「D&DEPARTMENT PROJECT」を展開することで、そのような場のひとつが生み出されるのではないかと考えています。







相馬夕輝


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